大林宣彦『ふたり』
大林宣彦監督の『ふたり』を観たのは、
映画が封切られた短大生のころ。
思春期の女の子が
他人と比べて落ち込むとか
同級生の複雑な家庭事情に動揺するとかの
微妙な心理がうまく描写されているので、
「大林宣彦はオトメである」
というのがわたしの考えです。
ジブリの『魔女の宅急便』にも
似たような描写がされているので、
宮崎駿も実はオトメにちがいない。
『ふたり』はわたしが好きな映画の
ひとつですが、
どうしても「それはどうなん」と
言いたくなることが二点。
一点めは、
中嶋朋子と石田ひかりの姉妹が
そろって好きになるのが
尾美としのりだということ。
いや、好きなんですよ、わたしも、
尾美としのりは。
けど!!!
なんかちゃうやん!!!
そういうことじゃないねん!!
あともう一点は、
中嶋朋子が映画の中で歌っていた
「草の想い」。
久石譲のメロディーが切なく、
大好きな曲です。
映画のエンディングで
再び流れるんですが、
このタイミングで「草の想い」なんて
泣けるう~泣いてしまう~!!!
と思っていたら、
エンディングの「草の想い」は
大林宣彦が歌うバージョン。
「お前が歌うんかーい」
と思わず心の中で
ツッコミを入れたことを覚えています。
そのあと何度か『ふたり』を観ましたが、
やっぱりその二点に必ず、
何年たってもひっかかるんですよね。
大林宣彦監督作品は、
ほかは『転校生』『時をかける少女』
くらいしか観ていないのですが、
映画に出てくる、日本家屋と洋館が
一緒になったようなつくりの家は
今でも憧れです。
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