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コーチングにセンスは必要?

「コーチングにセンスは必要?」

コーチの方なら、1度は考えたことがある問いだと思います。
コーチでない方も、勉強、スポーツ、音楽、絵、料理など、いろんな場面できっと考えてきたでしょう。

皆さんはどう思いますか?

私の答えは、Yesです。

コーチングにおけるセンスとは?

本題に入る前に、まずは私の「センス」の定義を共有させてください。

センスの辞書的な意味は「感覚」であり、語源を見ると「感じる」を名詞化した言葉だとわかります。これについては「そうだな」という感じです。

sense 意味と語源 – 語源英和辞典より

そして、コーチングの文脈でセンスを定義するなら、「クライアントの客観的状況と、主観的状況(=今どのように在るか=being)を感じ取り、瞬時にベストな関わり方を判断する能力」だと思います。

「客観的状況を感じ取る」とは?
客観的状況は、事実とも言い換えられます。クライアントとクライアントを取り巻くステークホルダーおよび社会が、これまでどんな経緯で何をやってきて、今どんな状況なのか(なには確定事項で、なには不確定なのか)を感じ取ることです。しかし、主観と客観を厳密に分けるのは、とても難しいことです。


「主観的状況を感じ取る」とは?
「クライアントが、世界や周囲、そして自分の人生をどのような物語として認識しているか?」を感じ取ることです。例えばクライアントがTOEIC 800点を目指しているとして、その根源的欲求には、いろんな可能性があります。

「これからの時代、英語が使えないと生きていけない」
「英語を通して、世界中の人と関われるようになりたい」
「同僚がみんな取ってるので、自分も取らないと恥ずかしい」

などなど、様々なパターンがあると思いますが、これらはすべて主観であり、クライアントは「このような思想・価値観が浸透している物語の中で生きている」と捉えることができます。

物語は、言い換えるとすれば「Vision」「Mission」「思想」「価値観」「信条」「思い込み」「認知(バイアス)」あたりでしょうか。その人にとって良い影響を与えることもあれば、悪い影響を与えることもあります。


「瞬時にベストな関わり方を判断する」とは?

(文字通りの意味ですが)コーチングがコミュニケーションである以上、ほとんど無限に近い関わり方の選択肢がある中で、「こんな状況だから、こんな関わりをしよう」と無意識および意識下で思考・選択するセンスです。


コーチには、このような主観と客観を読み解き、0.1秒単位で関わり方を選択するセンスが求められます。


センスは磨けるか?

では、コーチングのセンスは磨けるのでしょうか?

私の答えは、Yes, But…です。

But…と歯切れが悪いのは、センスは能力であり、先天性と後天性の両方から成るものだと考えているからです。

絵で例えると、絵を描く能力は正しく学べば伸びていきますが、人の心を動かす絵を描けるかどうかは、先天的な部分(努力で補い切れない)が大きいと思います。

コーチングにおいては、先述した3つの要素はいずれも後天的に得られる一方、「関わり方」に関しては、そのコーチにしか出せない味があると思っています。

しかし、大半の技術・知識は模倣可能なので、とにかくマネてマネて、その中で自分の輪郭がはっきりとしていく、最初の数年はそんな磨き方がよいのかなと考えています。

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