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2年連続で藝大卒展に行ったので、よかった作品をシェアします

去年に引き続き、3時間ほど藝大の卒展を見ていました。

藝大の卒展に行く理由

藝大の卒展の魅力は、色々あります。

・無料
・アクセスが良い(上野駅から数分)
・日本トップの藝大生の集大成なので、ハイレベルかつ魂の込もった作品が多い
・油画、日本画、彫刻、デザイン、建築、ドキュメンタリー、アニメ、VR、インスタレーションなど、多種多様なジャンルを見れる

気になる作品は「その時の自分を表す鏡」なので、「今の自分はこういうところにいるんだな」となんとなく知れるのも楽しいです。

また、作者・作品が大量なので、気になる作品が1つもないということが基本的に起きません。そういう意味では、安心していける展示です。


しかし、今年の卒展は去年に比べて、ピンとくる作品が少なかったです。
具体的には、こんな感じでした。

▼前提
藝大は当然レベルが高いので、「お金と時間を費やしてでも見たいか」という基準でジャッジしています。なので、これまで見てきた美術館の展示より良いものは、何十作品もあります。

▼2023
・5作品:とても良い。友人にシェアしたくなる。数年後も覚えている
・10作品:良い
・その他数百作品:少し見て去る感じ

▼2024
・0作品:とても良い。友人にシェアしたくなる。数年後も覚えている
・8作品:良い
・その他数百作品:少し見て去る感じ

考えられる要因としては色々ありますが、結論は保留しています。
・コロナ禍と同時に入学してきた学生の作品が多いので、なにか作品制作に影響が出ていた
・短時間だったから、作品を味わい切れなかった
・私自身が人の多さに疲れた

とはいえ印象的な作品はいくつかあったので、去年の展示と併せてシェアします。

とても良かった作品

2023

数多の人間を1枚に収めたすばらしい作品。時々、人間じゃないのも紛れ込んでいて、作者のチャーミングさが窺える。隣には本作のポップさは感じられない自画像があり、そのギャップも良い。このような作品こそ、時代や国を超えて愛されると思う。

迫力ある作品。それぞれの単純な言葉では言い表せない表情が、なんとも印象に残る。個人的には、左下のジブリのおじさんっぽいのが好き。

現代社会を風刺する作品は薄っぺらくなることも多いが、本作はシンプルな構成でしっかりと伝わるものがあり、すばらしい。明るい音楽が不気味に感じるのも良い。

現地で見た時、圧倒的なインパクトを出していた作品。周りに茶色い彫刻が多かったので、そういう意味でも目立っていた。フェルト?による生々しい造形が、もののけ姫の乙事主(おっことぬし)を思い出させる。


良かった作品

2023

遠近感と、日本らしい色使いが良い。

右のリュークやスタンドのような立ち振る舞いと、左の耳を傾ける表情がいい。「いつも支えてくれる、私の中の私」って感じがする。

仮面は想像力を掻き立てる。

立体的なので、現物でないとあまり良さが伝わらない作品。

みずみずしいテクスチャーが素敵。部屋に飾れたら最高だと思った。

2024

「こういう描き方もあるのか」と学びになった。左半分が大きな顔にも見える。ちなみに本作はメインじゃないような配置をされていて、作品群全体としても良かった。

コラージュと引き算がすばらしい作品。ショートケーキと着物が混ざっているのがすごい。

2次元と3次元がうまく同居していて、おもしろい作品。

大きいし、角度によって見え方が変わるし、とにかくインパクトがあった。

作品の副産物だと思う。普段あまり見れない、生々しい部分が見れてよかった。

作者のルーツにまつわる作品。これだけ大きいのに、こんな緻密に描き切るのがすごい。

曖昧だがはっきりしている、そんな印象を持った。

見た瞬間、きれいだと感じた。なにか意味はあるんだろうけど、iPadナシでも良いんじゃないかと思った。なぜ多くのアーティストが、作品にスマホやタブレットを含ませようとするのか、自然なことだと思う反面、あまり必然性がわからない。


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