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今週のkinologue【1/2-8】

穏やかな年末年始があっという間に終わり(今年1本目の映画は『アザー・ミュージック』。博論研究的にとても興味深かった!)、6日(金)は宣伝プロデューサーを受託した『ドリーム・ホース』公開初日。年末に買った日めくりカレンダーに勇気づけられて劇場に向かう。

後で知ったが、1/6は一粒万倍日と天赦日が重なった最強運気の日だったらしい。

金曜朝10時の新宿ピカデリーは結構な賑わいで驚く。そうか、まだ冬休みだもんなぁ。『ドリーム・ホース』のお客さまは男性多め、年齢層ちょい高め、1人が多い。金曜だしね。とりあえず打ち込み(初回来場数)の目標クリアということでまずまず。エスカレーターを上がってすぐの4Fにバナー。こんなデカいバナー作ることもなかなかないだろうとパシャリ。

大ヒットした『LAMB』のバナーが同じ場所に掲出されていたので、あやかってみた。

これまで宣伝プロデューサーとして関わってきた殆どの映画で、キャッチコピーやストーリーコピー、チラシ裏やプレス資料(パンフレットにもなる)のテキストは自分で書いてきた。他社の話を聞くと外部のライターさんに発注することも多いようだが、不器用なので自分で書かないと映画にちゃんと向き合えない気がしているからだ。今回も自社配給作品ではないけれど自分で書いた。宣伝コンセプト(映画の売り方の基本となるもの)はすんなりと書いていたが、具体的にポスタービジュアルに入れるキャッチコピーは、すぐに思いつかなかった。この映画は実は2021年2月公開予定で準備していた。しかしコロナ禍で本国の公開が延期になってリスケすることになり、一旦全てがストップした。それから2年近くが経ち、公開が正式に決まってから改めて映画を見直したときにすっと自分に降りてきたのが「欲しいのは、胸の高鳴り。」というコピーだった。映画そのものを表してもいるが、コロナ禍で停滞した気分を打破したい私たちが今、求めているものでもある。そして、デザイナーさんが作ってくれたのが、このコピーがばっちりとハマった青空と歓喜のポスタービジュアル。これでいける!と思わせてくれた。それから紆余曲折あったが、何とかこのまま貫くことができた。この映画はおとぎ話のような物語だが、実話であることがとても大きな要素。つまりは調べればすぐに結末がわかるということ。それをどこまで観る前の情報として伝えていくべきなのか、とても悩んだ。結論としては「ラスト20分の大逆転劇」と打ち出し、予告編も最後大喜びするシーンまで入れた。すると、チラシや予告編で結末バラしていて最低とか萎えるとつぶやかれていた。そういう人もいるだろうなと思っていたが、結末が分かっていても感動できる、期待通りの安心感があることを伝えたかった。ラスト20分は自分でも何度観ても泣いてしまうし、「そう来るよね〜」を凌駕する迫力のレースシーンとその後の多幸感に賭けてみることにした。公開前に実施した試写会や今週末に劇場で観た人たちの反応を見ていると、コピーが評判が良くて胸熱。そして、展開が読めていても感動した!という感想が多く、ホッとした。新年1本目の映画としてオススメして下さる方も多く、これからの口コミにも期待する。馬や競馬好きの方々が満足する感想とオススメをしてくれているのも先ず嬉しいし、馬に興味がない人にも広がっていきますように。浜村淳さんがラジオで熱く語って下さったのも感動(50分ほぼストーリー全部を熱弁!浜村さんだから許されるw)。

毎日めくるのが楽しくなってきた〜

翌7日。そうだよ、道はずーっとつながっているよ。と、突然の富山弾丸日帰りツアーに行ってきた。ガラス美術館で「フィンランド・グラスアート」展を見て、お寿司でも食べて帰りたい、くらいの軽い気持ちで。とにかく物理的に遠いところに行って一区切りをつけたかった。富山に着いて先ずは行くべきと言われていた鱒寿司を買いに行ったら本日売り切れ。昼なのに嘘でしょ。打ちひしがれて評判の寿司屋に30分並んで中に入ると、食べるまでにあと1時間以上はかかるということが判明。滞在7時間の旅人にはキビシイ。諦めて店を出てガラス美術館に向かおうとする途中、なんかピンときたカレー屋さんに入ることに。スズキーマとスパイスミルクが美味しかった♡

おせんべいも大根も崩して食べる。スパイシーでサッパリしていて滋味。

ドリンクに逗子の地ビール、ヨロッコビールがあったのに驚いて会計時に聞いてみると、なんとお店の方がうちの近所に住んでいたことが判明。よく行くアイスクリーム屋で働いていたと伺い、びっくりすぎ。初訪問の富山、着いて2時間でこんな出会いがあるなんて、すごいなぁ。あのままお寿司食べてたら出会えなかったから、捨てる神あれば、、、だわ、まさに。

こんな建物の図書館なんて、富山の人たちが羨ましい。

隈研吾建築の美しい空間に充実した「フィンランド・グラスアート」展を満喫。S2さん企画の展示はいつもまだまだ知らないフィンランドを感じさせてくれる。富山まで来た甲斐があった。見たことのなかったカイ・フランクも素晴らしかったが、出口近くのガラスのヒンメリが、影も含めて美しかった。同時開催の「ムーミンの食卓とコンヴィヴィアル展」にも。コンヴィヴィアルという概念はムーミンの世界にぴったりなのだけど、理解されるためには、もうひとつ、何かが必要な気がした。

食べること、共に生きること。この二つをつなぐ何かが必要なのか。

その後はこれまで何本かお世話になったミニシアター、ほとり座さんにご挨拶。突然伺ったにもかかわらず、コーヒーのイベントをやっていたので、美味しい浅煎りコーヒーをいただきながら、社長と長い立ち話。映画以外のことも色々やっているそうで、イマドキだ。どんな劇場なのかと以前から想像していたけど、やっぱり行ってみて話さないとわからないことはあるもの。『マイヤ・イソラ〜』をぜひ上映してくださいー!とお願いして後にする。上映が決まったらコラボして何か出来ないかなぁと北欧雑貨を売っているチリングスタイルさんへ。7-8年前に画面越しでしかお会いしたことがなかった大澤さんがちゃんと覚えてくれて嬉しかった。「マイヤ・イソラなら売るほどある!」と言いつつ、アメリカ時代のマイヤのお宝ヴィンテージもお持ちのようで興味津々。何かご一緒せねばな〜。それにしても、初めて降り立った街で、初対面でもたくさん話せる人がいるって幸せなことだ。
結局お寿司を食べる時間がなくなってしまったので、「富山湾づくし」というセットをテイクアウトして帰りの新幹線でいただく。白えびが美味。白魚好きにはたまらん♪ 今度は金沢とセットでゆっくり来たいな、富山。

次回はちゃんとお寿司屋さんで食べたい。

連休が終わり、今年も本格始動〜。クリスマス前から音沙汰なくなったフィンランドの人たちからもそろそろ返事が来ますように🙏

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