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今週のkinologue【5/3-9】

この1週間、外出したのは2日だけというステイホームな連休と連休明けの週末。思いを馳せるあの国の海はきっと静けさに包まれているだろうが、地元の海は大混雑で近寄らないことに。席数半減した『デカローグ』は予約が全く取れず、全10話制覇を断念。来月のシネマリンでの上映までお預けとなる。お楽しみもないまま(先週書いたバッグを持ってサウナには行ったけど)、とにかく粛々と準備を進めている。来週は字幕入り本編も完成の予定。新作配給に巻き込んでいる人たちとオンライン打ち合わせを重ね、いよいよ来週は色々発表ができそうだ。

読まなきゃいけない本はたくさんあるし、読んでるそばから書かないといけないこともたくさんあるが、今週つい手に取って一気に読んでしまった本。ベストセラーらしい。東工大の同じ研究機関に属するものの専門分野がバラバラな研究者5人による「利他」をめぐる考察集。

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コロナ禍における世界や思考の動きを綴った本を読んできたなかで、「利他」がキーワードのひとつだとは思っていた。「利他」という言葉に何とも言えない居心地の悪さを感じていたが、第1章の伊藤亜紗の「むしろ利他ぎらい」から入っていったので、すんなりと。居心地の悪さの正体も分かった気がした。個人的には最後の作家・磯崎憲一郎の章が面白過ぎた。作家の意図を超えた系譜のようなものの話だが、磯崎本人に連なる作家の作品が詳細に語られている。特に小島信夫。知らない作家だったので、他にどんな作品を書いたのか興味津々。またも現実逃避の扉を開けてしまいそうに。いかん。

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