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浮かんだり沈んだり 3

そして「判決」を聞く日がやってきました。
心の中でドゥルルルルルというドラムロールが聞こえます。

判決ったって結果は既に出ているんです。
検査は全部終わっているし、その結果も全部出ているし。検査結果とその読み方がわからないだけで事実は既に厳然とそこにあるわけで。

頭ではそうわかっているものの、どうなるかわからない未来はとても不安でした。意識としてはあまり不安を感じない方なのですが身体には如実に出るのですね。眠れなかったり寝付きが悪かったり、仕事に集中できなかったり。食欲もなかったし。

その日はオットがついていってくれました。
ついていくというか、ついてきたというか。実は彼の方が心配性で(表に心配や不安が出やすいタイプ)気が気ではなかったようです。

前の回にも大まかに書いたけど実際はものすごく細かく結果の予想を考えていたんですよね。

  • 良性か、悪性か、悪性に加えて転移があるか

  • 開腹手術か、腹腔鏡手術か

  • 腫瘍だけ取るのか、卵巣も取るのか、両卵巣取るのか、子宮まで含めて全部取るのか

ええとこれだけで3×2×4で24通りあるわけです。
もちろんあり得ない組み合わせ(たとえば悪性で開腹手術で腫瘍だけ取るって現実的じゃない)もあるから実際はもっと少ないですけど。

ドキドキしながら婦人科の廊下で二人で並んで座っていました。
最悪の結果だった場合、余命宣告があるかも知れません。それはこれまでググって調べたところ、転移してる場合でも標準的な治療を受ければまあ5年くらいはありそうでしたが。
でも自分の身体を振り返った時、そこまで悪くなっている感じはなかったんです。もしそうだとしたらもっと体調が悪いはずだ、と。だから最悪はないんじゃないかなと期待していました。でも最悪の次の次くらいは有りかなあ、開腹で全部取るくらいのことはありかなあと悶々と。

名前が呼ばれます。前回診察してくれた米倉涼子(仮)医師がいました。やっぱり似てるわ、なんというか雰囲気が、「わたし失敗しませんから」的な雰囲気が。
さあ、どうなんだ、どうだったんだ、先生、判決は!?
ドゥルルルルルルルルルルルル(ドラムロール)

「まず子宮ガン検診の方ですね。こちらは何もありませんでした」

ほう。

「で、腫瘍ですが、こんな風に」と画面を見ながら説明。
「10センチくらいあるんですけど(画面を操作して大きさを測りながら)、悪性ではないようです。腫瘍マーカー(血液検査)も特に問題ありませんでした」

+。:.゚(*゚O゚ *).:。+゚。゚゚(*´□`*。)°゚。


「で、こういう場合、取らないという人もいるんですが、どうされますか?」

え、それ、たずねるの?
だってこんないらんものが出来てるんだから有無を言わさず切って取っちゃうのではないのですか?

「取ります」

即答でした。だってさー、それまで気づかなかったけれど、「腫瘍があります」って言われてから急に右の下腹部に違和感を感じるようになっちゃったビビリとしては、取る以外の選択肢なんて考えておりませんでしたから。
だいたいこのまま大きく育っていって破裂したらどうするのさ。ねじれたりとか。

「先生、手術するとしたらどんな風に?」
腹腔鏡で。ただ、見てみて問題があればその時点で開腹になりますが…」

つ、つまり腫瘍は良性で、取った方がいいけど急がなくて、手術は原則、腹腔鏡でOKなんですね?

勝訴!

良性だからその後の抗がん剤治療も無しで。

全面勝訴! \(^O^)/


あ、腫瘍だけ取るのか卵巣も取るのか聞くのを忘れた。
だけどもうここまできたらどっちでもいいです。だってわたしの卵巣も子宮も働いて定年退職した感じだもん。
ちょっと前に胆嚢さんともオサラバしたしな。
こうやって年を取ってリタイアした臓器を引き取ってもらうのも運命なのでしょう。

ところで見せてもらった腹の中のMRI画像ですが、なかなかショッキングなものでした。何でもあるいらすとやでまた絵をもらってきたので説明しましょう。

いらすとやの子宮のイラスト。本当に何でもある。

上のがいらすとやさんにあった「普通の子宮と卵巣」の絵です。左右に飛びだしている丸い実みたいなのが卵巣。通常はここが親指くらいの大きさだそうです。
ここにですね、こんな感じ ↓ に10センチくらいのできものがあるわけです。

MRI画像ではちょうどお祭りの風船釣りの水風船みたいだった

何がショッキングだったかというと、それが、こんな風にですね、子宮を押しつぶしておったのです。そんなイラストはないので自分で描きました。

画像はイメージです

MRI画像の方向がたまたまそうだったのかもしれませんが、ねー、これは取るしかないでしょ。

というわけで手術することになりました。
良性で急がないので、大病院の手術室が混み混みの直近は避け、2ヶ月くらい後に切りに行きます。
そのことはまた、時期が来たら、「入院日記の再来」みたいなタイトルで書こうと思います。人生なんでもネタの精神で強く生きるぜ俺は!
それまで、救急車で緊急手術にならないよう、つぶれたりひねったりしないようにしなくては。


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