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入院日記 2

(入院日記 1 の続きです。)

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あまり眠れないまま夜が明けました。

強い鎮痛剤をもらったので3時間ほどは眠れたでしょうか。時間のたつのが遅いこと。場所はずっと救急(ER)のベッドの上です。

お医者さんや看護師さんは夜勤から日勤に交代し、とにかく患者が来る来る。その中でルーティンワークのように淡々と働くスタッフたち。ERというのは大変な職場ですね。

みんなすごい!

でも痛い……

それから、患者には年配者が多いように思えました。カーテンで仕切られたブース内のベッドで点滴+寝たきりだったので目で見たわけではありませんが、聞こえてくる声などからそのように感じました。少子化の影響かしらんと思っていたのですが、あとでわかったのは単にこの病院に小児科も産科もないからでした。だけどこんな時にそんなこと考えていた自分は余裕があったんでしょうか? とてもじゃないけど余裕なんかなかったけどな。謎です。

さて、当初は痛みで歩けず、トイレのたびにナースコールして車いすで運んでもらっていたのですが、鎮痛剤がやや効いてよろよろしながらも自力で歩けるようになりました。ふと気がつくと朝の8時。やばい、今日は10時から偉い人も同席する大事な会議が入っていたのです。

慌てて同じ会議に出る同僚に事情を書いたメールを送りました。ところが返信が来ません。こういう連絡をして返事が来ない人ではないので電話をしましたが電話も通じません。まずいぞ、無断欠席になってしまう。この会議は人数も少なく、それってめちゃやばい。最後に他の同僚にダメ元で電話するとやっと通じ、連絡することができました。電話番号が入っていてよかった!


このとき「ちょっと具合が悪くて、いま病院にいるんです」と言いました。まさかねえ、救急車で運ばれてこれから手術かもなんて言えなかったですね。あとで説明しましたけど。

この電話も、救急内では規定で通話ができず、寝間着の上にコートを羽織って病院のロビーまでヨロヨロと歩いて行って必死で携帯を握りしめてかけました。

あっ、だけど携帯の電池があとわずかだ。綱渡りや・・・

それでも子どもがそれなりに大きかった(高校生)ので助かりました。
救急車の手配、付き添っての来院、出張先の父親との連絡。すばらしい働きぶりでした。
夜中の一時頃、やっとタクシーで家に帰すことができましたが、小学生だったらこうはいかなかったでしょう。翌日も学校があるのに寝たのは3時頃だったそうです。

「朝は冷凍庫に冷凍ピザがあるから。お弁当はなんかコンビニで買って」というと、「わかった」と言っていました。ちゃんと食べたのかなあ?
とりあえず普通に学校には行ったようです。えらいぞ。人間、最後は自分しか頼るものはないんだからね。

さて、そのうち新しいお医者さんがやってきました。

今日のERのお医者さんは中年のベテラン風男性です。「夜勤の医師から引き継ぎました」と自己紹介され、胆石が疑われるのでこれこれの検査をしたいと承諾書にサインさせられます。

もうなんでもしてくれ。そして原因を突き止めてくれ!

普通のCT、造影剤を使ったCTといくつも検査を行い、最後にドクターが
「やっぱり胆石が濃厚なので内視鏡を使った造影検査をして、胆管に石があれば内視鏡の先っぽに付いたバスケットみたいな器具で取ります」
と言いました。

内視鏡!?

内視鏡と言えば人間ドックでやる胃カメラでしょ?
あの、私のいっちばん大嫌いな、ゲーゲーする胃カメラだよね?!
鎮静剤を使っても苦しい胃カメラだよね?!!
(注:個人の感想です)

決死の形相で医師に訴えます。
「先生、わたし胃カメラで暴れた前科があります。鎮静剤使って下さい。いっぱい使って下さい!」
そして内視鏡検査&治療の承諾書にサインし、備考欄に「胃カメラに恐怖感を持っているので、可能な限りたくさん鎮静剤を使って下さい」と書きました。
ホントにこう書きました。きっと医療スタッフは見て呆れていたのでは?

でもおかげで、検査&治療はほぼ意識のない中で行われました。気がついたのは戻ってきたERのベッドの上。先生ありがとう。喉がちょっと痛いけど(入れるとき引っかかったのか?)そんなの関係ねえ。

入院は決まっているのですが、病室の準備ができないのでしばらくまだ待たされます。そこでもボーッと半寝している私。結果がどうなったのか聞く余裕はありません。そのうちバタバタとストレッチャーにのせられ、病室に落ち着いたのは夜になってからでした。

夜の7時頃にダンナ到着。

出張後、走って家に戻り病院に駆けつけてくれました。いやー世話をかけます。でも鎮静剤がまだ残っていて、あんまりマトモに会話できません。
というか、眠い。
せっかく来てくれて悪いけど寝かせてくれ。

入院に必要なグッズをいくつか頼んだ後、力尽き果てて寝てしまいました。しかしもちろんぐっすり朝までというわけにはいきません。この夜も何度も起きました。
痛かったり看護師が見回りに着たり点滴を取り替えたり誰かがうめいたり。いいや、入院してるから、昼寝しよう。最後にそう思ったのは夜中の2時頃だったでしょうか。

(3に続く)


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