30 day book challenge 第21日

第21日は、「とても好きなアンソロジー本」

アンソロジーって最近はやってませんか? 出版社の戦略なのかな。新潮文庫でも角川文庫でもテーマを決めて様々な作家が書くアンソロジーが出ています。時代物、とか、恋愛、とか、クリスマス、とか。

そうそう、第10日に紹介した「長持の恋」は、角川文庫の「不思議の扉 時をかける恋」(大森望(編))というアンソロジーにも入っています。

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いまはアンソロジーを選んで読むことはあんまりないのですが、子どもの頃、「アンソロジー」の言葉さえ知らなかった時に読んだのがこれ。

グリム童話集。誰でも何かしらは知っているんじゃないでしょうか。

赤ずきん
ヘンゼルとグレーテル
狼と七匹の子やぎ
白雪姫
灰かぶり(シンデレラ)
いばら姫(眠り姫)
長靴をはいた猫

これらはグリム兄弟が書いた著作ではなく、民間伝承などを集めたものでした。解説本をいろいろ読むと、初版のほかに改訂版が何回も出ていて、少しずつグリム兄弟の手が入りお話らしくなったり、残酷な場面が改変されたり、性的描写がなくなったりしたらしいですが。

それでも「本当は恐ろしいグリム童話」なんて本も出てますね! いや確かに改訂されたやつだって十分恐い。今回、「初版グリム童話集」(白水社)を図書館で借りてみたんですが、グロくて血みどろで恐いよ!!

家にあったのは親戚のお下がりの、30冊以上ある「児童文学全集」でした。その中にグリムも収録されていたのです。恐かったかというと、子どもだったせいでしょうか、あんまりそういうイメージがありません。

むしろ、その児童文学全集にはグリムの他にペローの童話集も収録されていて、同じような話が重複して出てくるのに驚いた覚えがあります。ペローの方が100年ほど前なんですね。そして赤ずきんちゃんが食べられても猟師に助け出されるのがグリム、そのままおしまいで「女の子は気をつけんとあかんよ」という「教訓」がお話にくっついてるのがペローでした。ペローも民話や伝承を元にお話を語っているのですけれど、自分で韻文にしたりして、「教訓」が必ずついていました。

「いばら姫」も、王子と結ばれてめでたしめでたし、で終わるのがグリムです。ペローの方には結婚後の後日談があり、恐い姑が出てきて大変なことに……。まあグリムも、「青ひげ」とか、いろんな恐い話がありますけどね。

いずれにせよディズニーの綺麗なイメージはあんまりありません。民話ってそういうものかもしれません。





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