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可愛い子には旅をさせよ

サブローは特別支援級の2年生。

支援級では校外学習が多い。

みんなで買い物に行ったり、現場実習に行ったり。


独りでバスに乗る

サブローの通っている中学校は住宅街にあり、主な公共交通機関はバスである。

集合場所は地下鉄の駅であった。

駅まで、それぞれ自分で行くか、保護者と一緒に行くか選択できる。

うちは自分ひとりで行かせることにした。

なぜなら、バス停が徒歩数分であること、滅多に乗らないとはいえ、ICカードの使い方はわかること、降車してから集合場所までわかりやすいこと、高校に自力で行かなければならないこと、を考えて。

行くまでにはバスの時間を調べ、現地に行って、降車場、集合場所の確認。帰りに乗るバス停の位置、路線番号を何度もサブローと確認しあった。

そ、れ、で、も

しおりを見てみると、うちの近くのバス停の名前が全然違っていた!

それでは「降ります」のボタン押せないなじゃない!

宿泊学習のときと同じで持ち物を当日の朝やろうとするサブロー

朝いつまでも寝てるくせにそんな時間ないでしょ!というと、「寝る前にやる」寝る前っていつ?というと、「〇時〇分になったらやる」

中学生になってもまだこんな調子である。

当日は最寄りのバス停まで一緒に行って見送った。

帰り、一緒の路線の子がいないので心配していたが、先生がバス停でバスに乗るまでいてくれたらしい。
なかなか到着しないバスで、きっと遅れてきたのだろうから不安だったのでは?と心配したが、先生がいてくれてよかった。

最期の関門。最寄りのバス停で降車したあとである。
そこそこ交通量のある道路を
横断歩道もなく渡ってこなければならない。

小さいとき、先にバスから降りたサブローがバスの前から渡ろうとして冷っとしたことがある。
もうそんな小さい子でもないのだけれど、私はそのときのことをいつも思い出してしまうので何度も注意してきた。

私はバス停の向かい側まで迎えに行ったので、バス停から降りたときから見守る。本当は声掛けもしないでおこうかとも思ったけれど、つい言ってしまう。「まだ渡らないで」「もういいよ」
過保護だろうか?

過保護

二女からは言われる。サブローのことになると過保護。

なにか事故にあってからではとりかえしがつかない。
でも、いつだって、どこまで本人にまかせるか、口を出すか、手を差し伸べるか、こちらも迷っているのである。

サブローにはまだスマホを与えていない。
ある意味それも過保護だろう。
そして、与えたら、もう少し行動範囲を広げることができだろう。

それももう少しである。

いつか独りでもっと遠くへ。旅へ行きたい、なんて日が来るだろうか?
そのとき行かせてあげることができるだろうか?


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