毒きのこデマはいつから存在していたのか
昔からよく聞く間違った毒きのこの見分け方があります。
「縦に裂けるきのこは無毒」
※嘘。テングタケ科も縦に裂ける。
「虫食いがあるきのこは無毒」
※嘘。キノコバエの幼虫や甲虫はツキヨタケも食べる。
「地味な色のきのこは無毒」
※嘘。シロタマゴテングタケ→白、コレラタケ→茶色
「ナスと一緒に調理すると無毒化」
※嘘。ナス科の果実はアルカロイドなど毒があるものが多いので同じ毒きのこと相殺されて無毒化する…と、信じられていた説がある。
これらは全て毒きのこ判別に関するデマです。
親世代、祖父母世代の人から言われても信じないように!
昔からきのこ界隈やきのこ図鑑でよく聞くこの元ネタは、田舎のおじいさんおばあさんの口伝で、そのおじいさんも自身のおじいさんから言われて続けておりそのおじいさんも自身のおじいさんから…
こんな感じにさかのぼると、古代中国の宋時代の漢方や動植物など薬物の知識について書かれた「本草書」に行き着きます。
宋というと5世紀頃の古代中国の一国で、日本は大和朝廷の時代で、前方後円墳や埴輪が作られていた頃です。
当時の「伝承をまとられた情報」と考えるともっと昔から毒きのこデマは存在した…のかもしれません。
このデマが全国的になってしまった原因は明治になってからで、近代化して日本全国に情報が行き渡るようになってからです。
Wikipediaによると…
> 日本でこれらのよく知られた俗説が広まった背景としては、一部で流布していた俗説が明治初期の官報に掲載されたためであると言われている。
今も昔も主語だけや言葉の一部だけしか理解せず解釈する人は居たようです。
いやぁ〜、日本語は難しいなぁ!
誰もがSNSやツールで地球の裏側まで発信出来る時代、そろそろ誤解が解けてほしいです。
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