ポジティブなCXを作る6つの要素
まとめ
Easy to say, difficult to do. 言うは易く行うは難し。
良いCXを作るには、お客さんが誰なのかをまず理解し、そのお客さんに喜んでもらうためのプランを全てのタッチポイントに具体的に落とし込み、それが実際にお客さんに受け入れられているかを確かめながら微修正を繰り返すことが必要。
また、働く人全員が顧客体験を意識し、顧客志向の社内文化を醸成する事も必要である。
ポジティブなCXを作る6つの要素
ポジティブなCXはブランドロイヤリティを上げ売上を伸ばし余計なコストを削る。
では記憶に残るようなポジティブな顧客体験をコンスタントに顧客に提供するにはどうすればいいのか。Forester Resarch社はFast Companyの記事で以下6つの要素が必要だと言及している。
Strategy(CX戦略)
ブランドがその顧客にどういった体験をして欲しいかを具体的に落とし込んだゲームプランがCX戦略と言える。CX戦略は企業戦略やブランド戦略とも方向性を同じくする必要がある。例えばコストコとアップルストアとでは全く異なる顧客体験を受けるがそれはコストコ側はコストリーダーとして、アップルはイノベーターとしてそれぞれの企業/ブランド戦略に則した顧客体験を提供しているからである。
Customer Understanding(顧客理解)
自分達の顧客が誰なのか。顧客理解はCXのファーストステップとも言え、間違った顧客理解のまま顧客にアプローチしてしまうと顧客満足度を下げるばかりか場合によっては“ウザがられる”事もあり得る。
Design(デザイン)
ここで言うデザインとは単に商品やパッケージのデザインではなく、店舗レイアウト、棚割りや商品購入の際の動線設計、コールセンターのIVR、ウェブサイトやモバイルアプリの設計など、各タッチポイントの設計の意味合いが強い。
日本でもスーパーや百貨店、その他小売店舗で商品の棚割りを決めた「プラノグラム」を利用するケースもあると思うが、これもCX要素のデザインに該当する。
Measurement(測定・メトリック)
ピーター・ドラッガーの言葉に“If it cannot be measured, it cannot be managed(測定できないものは管理もできない)”という言葉があるが、CXも同様に上手くいってるのかいってないのかを測定する必要がある。NPS(Net Promoter Score)、CSAT (日本ではCSスコアと呼ばれる事が多い)、LTV(顧客生涯価値)などがCXの成功度合いを測定するメトリックとなるが、会社やブランドによって使うメトリックは異なる。ただし、営利企業であるならば最終的な売上や収益にCXがどうつながるかを考慮した上でどのメトリックを使うかを選択する方が良い。
Governance(ガバナンス)
CX戦略がゲームプランだとすればCXガバナンスはそのゲームのルールブックに該当する。各部署が日々行う業務やこれからやろうとしている施策が最終的に顧客体験にどのような影響があるかを明確にさせ、悪い顧客体験がそもそも作られないように統制する必要がある。
例えばカナダの郵便会社であるCanadaPostでは、各部署からの予算依頼に対してそのプロジェクトがどのように顧客体験に影響するのか10つの質問を行うようにして、各部署において日常的に顧客体験を意識させるようにしている。
Culture(カルチャー・社内文化)
社内文化はこれまでの5つのCX要素がどの程度社内に浸透してるか、そのブランドのDNAを決める非常に重要な要素である。ディズニー, Zappos, Southwest Airlines, リッツカルトン, そしてFedEx等が成功した裏にはそれらの会社が社内で共通の顧客志向の概念を共有してたからだと言える。社員が共通で顧客体験を良くして行こうと思える事がCX成功のカギとなる。
Source: The 6 Disciplines Behind Consistently Great Customer Experiences
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