見出し画像

登る前に降り方を覚える

インドアジム出身クライマーの外岩デビューでは、

  登り方以前に、降り方をまずはマスターしていくことが大事

です。

ローワーダウンで、体重をロープに預ける、ということが、そもそも怖くてできない、というのは、何も子供に限ったことではありません。

しかし、登ったら、必ず降りなくてはならないのですから!

以下の方法は、インドアクライミング経験者にお勧めの方法です。14歳の男の子たちで、インドアクライミング経験もなく、いきなり外岩であっても、懸垂下降を怖がることなくマスターした方法です。

ーーーーーーーーーー

1)「登れたら?次は何をしないといけませんか?」の質問で、軽くディスカッションを行う。しっかり登るためには降りるスキルが必要だということを認識するのが大事。

2)あきらかに歩けるような場所で傾斜をつけて、ハーネスに座り、ロープに体重を預ける下がる感覚を覚えてもらう。一人がビレイし、それに体重を預けながら、後ろ歩きをする。

3)次にグリグリで自分でローワーダウンの動作を行う。これだと誰かの祖ビレイ動作に体重を預ける必要がないので、各自、自信をもって体重をロープに預ける後ろ歩きができる。

4)十分に慣れて自信がついたら、一人づつ懸垂支点に連れて行き、セルフビレイを教える。高いところに心理的な恐怖をセルフビレイで強固な支点につながっていることへの信頼で乗り越える。ここで、これができない人は、クライミングには向いていない、と分かる。

5)グリグリでの自己懸垂(ローワーダウン)のセットを指導者がしてあげる。確実性のため。ロープには万が一手を放し、なおかつオートブレーキが効かない場合に備えて、保険で途中にストッパーノットを作っておく。

5)指導者自身も懸垂で付き添いながら、一緒に懸垂下降で降りる。手を離しても止まることを何度か試して納得してもらう。

ーーーーーーーーーーーー

これでグリグリでの懸垂下降はできるようになります。

こののちに2つ穴のノーマルATCでの懸垂下降を同様に、ストッパーノットを作って実践します。これでノーマルな懸垂下降ができるようになりました。

次は負鬱に登っても、懸垂でロープに体重を預ける感覚がすでにできているので、終了点で、「テンション」とコールし、ロープを張ってあげれば、全員ロープに体を預けることが怖がらずにできるようになっていました。

 ロープに体重を預ける、

ということがなかなかできないのが初めての外岩。

このグリグリを使った方法は、公園や階段など、緩やかな傾斜のところであれば、どこでも実践できる懸垂下降の練習です。

まずは、グリグリによる懸垂下降から入る、というのは、伝統的な教え方とは、大きな差です。機械に頼るほうが最初のうちは確実です。

体重を預けるということに慣れたら、ノーマルATC使用へ、できるだけ早期に移行します。これは制動手を常に下げておくというクライマー動作を身に着けるためです。手を放すのもダメ、です。

必要ギア:グリグリ、ATC、シングルのダイナミックロープ、ハーネス、ヘルメット、PASと環付きビナ2枚

懸垂下降は失敗が許されません。まずは確実なセットを目指し、自信がついてから、高いところへステップアップするようにします。

何事も千里の道も一歩から…。コツコツとベイビーステップを積み上げるのが大事です。

恐怖は自分への信頼で跳ねのける、そういう体験を積み上げるのがクライミングです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?