あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ
一週間のはじまりの月曜日。あいにくの雨模様…。
外で遊べないこんな日は、絵本の世界にひたりましょう。
『あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ』。M・ゲアリック 文/L・ワイスガード 絵/岡部うた子 訳。初版は1974年。46年も前に刊行されました。
“あめ、あめ、あめ、あめ。あめが ふるとき、ちょうちょうは、どこへいくのかしら。”
深緑をベースにシンプルな色調で描かれた見開きと、優しい言葉づかい。いちばん最初のページからもう、物語の世界へすっと誘(いざな)われるようです。
“もぐらや みつばち、きに とまっている ことりも、みんな、あめが ふるとき どこへ いくのかしら。”
ちょこんと枝に乗っていることり。表情がしっかり描きこまれているわけではないので、寂しく見えたり、楽しく見えたり…
ほんのり黄色い、みつばち。ここにだけ色味がポッと足されているのが、なんともお洒落です。
“うちの ねこは、げんかんに、さっと かけこみます。あめのとき、わたしは ちゃあーんと みたのですもの”
やんちゃそうな猫は、躍動感あふれていますね。「わたしは ちゃあーんと みたのですもの」という言い回しも、なんだか可愛い♪ 翻訳絵本っぽいなあ。
“あひるも、あめなんか へいきです。どうして へいきなのか。わたしにはわかっています。だれかに、きいたことが あるのです。”
ちょっぴりおしゃまな女の子が、自信たっぷりに話しているような様子が浮かんできます。
“あひるの はねには あぶらがあって すべすべしていて。あめが からだに しみこまないのですって。”
キリッと構える、あひるさん。確かに、あめなんて へっちゃら顔ですね。
“あめが こぶりになったら すぐに、わたしは、そぉーっと きのところへ いってみようと おもうの。”
そおっーっと木を見上げる子どもの姿。ポツリ、ポツリと残る雨音や、サワサワと揺れる葉っぱの音が聴こえてきそう。
『あめが ふるとき ちょうちょうは どこへ』。部屋の中で絵本を開きながら、想像するのも楽しい時間です。
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