変わらない世の中で。

見えない悪魔に踊らされた世の中は

今も秒針を刻む。

青信号と共に 人々が交差する。
雑踏の中で 誰かの心が泣いていた。

誰かの大切な人を簡単に奪える時代

見えないウイルス 見えない心の傷

見えない疲労 見えないやるせなさ

きっと私達は何かを忘れている。

強制力が無いと 自分の行動に責任も持てない若者達
誰かが声を挙げないと 動けない 権力者達
根拠の無い言葉を 世界中にばらまく愚か者達

明日が来ないかもしれないというのに
その事すら頭に無い。

自分1人が原因で 大切な人、 またその人の大切な人
すら葬ってしまうかもしれない
この恐怖感にすら気づかないのだろうか‥‥

自分1人が誰かに放った一言で
誰かの心に深く傷を負わせるかもしれない
もしかしたら一生 付き纏うかもしれない
傷むかもしれない
その責任感にすら気づかないのだろうか…

自分の為に誰かの心を黒く染めて
闇に葬って 何がしたいのだろう？

秒針が時を刻んだ今この瞬間
誰かの生命を必死で守る人が居る。

目の前に居ない誰かを想って
心を痛めている人が居る。

見えないものは見えるものより
鋭く突き刺し 私達の心を 酷く苦しめる。

人間1人1人に 責任が付き纏うこの時代
何を想フ？

私達には正確な時計が無い。
これから先何十年 秒針が音を奏でるかもしれないし
或いは今この瞬間 静寂になるかもしれない

保証や 確証なんて 一欠片も無い。

口先だけの権力者も
鋭利な言葉のナイフを作り上げるSNSの鍛冶屋も
若さに縋りついた若者も

時を知らない。

何一つ変わりやしない。

声を挙げても街の雑音に消えゆき
1人だけが努力をしても

涙で濡れた履歴書は拾い上げられない

誰かを救えない。
己の無力さを痛感する。

何も変わらない。

人は安心や余裕 立場 権力 に依存するし
どれだけ領土を広げても
心の視野は広がらない。

人間一人一人が変わらなければ
変わらないなりの世の中という狭い枠組みに
光を集めなければ。

大切な人をこれから先 何十年も
抱きしめる為に。

今はただ 出来ることを精一杯

言葉にした決意を 行動に

明日を守る為に 私達は時を刻む。