【無料記事】選ばれなかった女②竹書房での金本さんとの会話【飯盛裕美子】
本題に入る前に色々と雑談をした。
金本さん(近代麻雀編集長)は唐突に私の出身地を尋ねてきた。
金「出身どちらですか?」
飯「私ですか?広島県です」
金「広島のどこですか?」
飯「わからないかもしれないのですが…神石郡というすごい田舎で。福山からバスで1時間くらいです」
金「そうなんですねー僕東福山なんですよ」
飯「えぇえ!?そうだったんですか!?」
なんと金本さんも広島県民だった。
地元が近かったということで、金本さんは私に興味を持ってくださったそうだ。
企画書にプロジェクトメンバーのページ入れておいてマジで良かった〜〜〜〜〜と思った瞬間だった。
話を聞いてもらえなくては、企画持ち込み自体ままならない。運が良かった。
ちなみに私の地元は県内最後の「郡」で、郡内に初めてローソンが出来た時は24時間じゃなかったし、新聞に載った。
毎年雪も降っている。
それから企画の説明をした。発案のキッカケになった #近代麻雀新人女流プロ2024 のこと、企画内容、掲載イメージ等についてお話しさせていただいた。この当時の企画の内容は下記の通りである。
①#近代麻雀新人女流プロ2024に選ばれなかった女性プロを募集し、プロのカメラマンとデザイナーと力を合わせて最強の自己PR特集を作る。
②制作費は参加プロの自己負担とする。つまりコストを払うのは自分になるため、熱意があってクオリティの高い特集ができる。
③#近代麻雀新人女流プロ2024は明るく綺麗な感じになっているが、今回のカメラマンは空気感を出すのがとても得意で、今までの麻雀界では見たことがないような仕上がりが期待できる。
④本誌掲載が最も嬉しいが、難しければキンマnoteで発表したい。その際キンマnoteの売り上げは全額近代麻雀さんへ。
⑤プロ達には完成写真を全てお渡しし、自由にマネタイズしてもらうことで費用回収してもらう。
ざっとこんな感じである。
自主制作特集なので、やる気と情熱がある人ならきっと応募してくれると考えた。
金「いやあ、いくらうちが制作費を払わなくて良いとは言え、本誌は難しいですね〜。厳選して厳選してページを作ってますから」
飯「そうですよね、ではnoteだといかがでしょうか?」
金「noteならいいんですけど、それって飯盛さんが自分でnote立ち上げてやったら売り上げも全部自分で回収できるんじゃないですか?」
飯「やっぱり『近代麻雀』さんじゃないとダメなんです。新人プロたちの憧れだし、何より今回の『近代麻雀新人女流プロ2024』の企画に対抗して作るものなので、自主制作だけだと弱い。ここは『近代麻雀』掲載を目指すことに意義があるので、最終的に掲載はできなくても、目標には設定させてもらいたいです」
金「なるほど。そういうことなら全然オッケーですよ。すごい大変だと思うけど頑張ってください。あと僕は一緒に仕事した人に『金本と仕事して良かったな』と思ってもらいたいんで、やりたい事を否定したいとかは無いんですが、より良くするために口出しすることはあると思います」
飯「それはもう、めちゃくちゃありがたいです!ぜひよろしくお願いします」
キンマnoteに自主制作企画を掲載していただけることが決定した瞬間だった。イケるとは思っていたけれど、やっぱり嬉しかった。
それから金本さんは、過去のコンセプトの似ているnoteの記事をいくつか見せながら、アドバイスをしてくださった。
面白かったのは、橘プロの記事に勝手に文章を添えて橘プロのXのフォロワーが増えるかどうか実験したそうだ。
結果40人ほど増えていた。
楽しみながら結果を出すことを、金本さん自身が大切にしていることが伺えるエピソードだった。
金「ちなみに企画のタイトルなんですが、変えませんか?多分数ヶ月もすれば新人女流プロ2024の話題は世間から流れてしまうので、そこにこだわらない方がいいと思います」
飯「あ、これはその、まずは金本さんに興味を持ってもらう為に、わざとこういう感じにしてまして…」
金「なるほどたしかに!なんじゃこりゃ!って思ったもんw」
飯「はい、なのでタイトルとかは全然変えてもいいんです」
そんなこんなで話は落ち着き、今後の作業スケジュールを今週中に出します!とお約束して打ち合わせは終了した。
実際には出来上がった物を見てもらうまで先方はやることがないので、私が頑張るしか無い。
飯「すみません、今回の打ち合わせしたこととかってXに書いても良いですか?」
金「もちろん全然いいですよ」
飯「写真とか一緒に撮ってもらうとかも…良いでしょうか?」
金「もちろんです。入り口で撮りましょう」
このやりとりから生まれた写真がこれである。
金本さんは積極的にたくさん撮ってくださった。めちゃ優しい。ありがたい。
最初の不安はどこへやら、とても和やかな雰囲気になった。
さあ帰りましょう、という時になって、私は気掛かりで仕方ないことを最後に質問できた。
飯「金本さんは甘い物ってお好きでしたか…?」
金「え、だいすきですよ」
飯「ほんとですか!虎屋の羊羹なので、すごく美味しいのでぜひ召し上がってください!」
金「めちゃめちゃ嬉しいですありがとうございます」
リップサービスでないことを祈りながら、喜んでいただけたと安心した。この頃には私も虎屋の羊羹食べたいなあくらいの気持ちまで落ち着いていた。
エレベーター前でご挨拶して、竹書房を後にした。
帰り道、すぐに夏川さんに報告LINEをした。この物事が進んでいく感じ、これからすごく大変なことになると思うけど、いろんな人たちと一緒に作品を作るんだ!めちゃくちゃ楽しそうやなあ!
そんなことを考えながら歩いていたら靖国通りに出ていた。もう20:30になっていたが、たくさんの車が行き交っている。
いくつものオレンジ色の街灯が、こごえる夜の東京を暖かく照らしている。油木はもっと寒いんやろな。
そんなことを考えていたら、なぜか少し涙が出た。
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