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井出洋介語る12「 最高位戦をやめた理由」

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最高位戦の「13・26事件」でやめることを決めた

 僕が最高位戦の代表をしていたころ、最高位戦はまだ競技団体とは言えず、同好会やサークルのレベルだった。

僕は一旦代表をやめて、飯田正人さんが代表を務めていたのだが、2年ほどで飯田さんに「疲れてしまった。代表に戻ってほしい」と言われた。

僕はちょうど、念願の最高位になったときで、代表に戻ることにした。ただし、戻る以上は僕のやりたいようにやりたい、と伝えた。

僕がやりたかったことは、賭けない麻雀を広める団体を作り、賭け麻雀から離れていくことだ。前回の記事でも書いたように、第5期最高位決定戦の「八百長事件」以来、若者たちの間で競技麻雀の人気が低下していた。僕は「賭けない麻雀」というものを前面に出していきたかった。

101、日本プロ麻雀連盟、最高位戦という3つのグループがあって、それが一つになれないのなら、独自に自分のやりたい活動をして行こうと思ったのだ。

でも、それに反対する声が最高位戦の内部にあった。僕の考えに賛同しかねると思ったのは、まずリーチ麻雀店にかかわっている選手たちだったと思う。また「近代麻雀」などの麻雀劇画誌にギャンブルのことを書いていた人達や、麻雀マンガの原作を作っていた人たちも僕の敵に回ってしまった。101と最高位戦にダブル登録していた選手たちも、快く思わなかったようだ。

代表選挙は投票で決まる。僕の対抗馬として金子正輝さんが擁立された。結果は、39票中、僕が26で金子さんが13だった。後にこれを麻雀の点数になぞらえて「13・26事件」と呼ばれるようになる。

僕はこの結果を重く受け止めた。選挙には勝ったが、団体の中の3分の1に反対されながら、自分のやりたいことができるとは思わなかった。 

いきなり「月刊プロ麻雀」で 「この指止まれ!」

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