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神経系の書籍紹介〜リハビリテーションのための脳神経科学入門〜


みなさん、こんにちわ。

近畿OuTPuT会の吾妻です。

僕は普段Instagramでアウトプットをしているのですが、たまに理学療法士や作業療法士を目指す学生さんから、こんな質問があります。

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そこで、Instagramでも投稿をはじめました。

その中でも、学生さんや後輩に指導する際にも参考にしている書籍がこちらです。


有名な一冊ですが、僕はアホなので、何度も読み返して理解するのに時間がかかりました。しかし、本当に理解した時に臨床で使える知識が豊富に含まれていると僕は思います。


この本の強みは、

・身体イメージと運動イメージ
・身体所有感と運動主体感
・運動学習メカニズム
・脳科学に基づいたリハビリテーション(脳卒中・疼痛)


だと思います。


その中でも、

運動主体感について少しだけ触れてみたいと思います。


運動主体感とは?

運動主体感とは、

目の前の手を動かした際に、これは自分の意図によって起こった動きであると自分で理解しているという意識のこと。

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簡単に言えば、

自分の動かした体は自分の意思で動かしたとわかること。

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当たり前だろ!って思うかもしれませんが、

脳卒中になったり、骨折して動かしにくくなった体に対して

この「運動主体感」がうまく感じられないことは臨床上、多々みられます。


「自分の足じゃない。うまく動かせない。」

運動器疾患の患者さんでもよく耳にしませんか?

今まで動いていた足が思うように動かない=意図した運動と実際の運動がマッチングしない(不一致)ことが生じた時に「運動主体感」は減少してしまうということです。


ただ脳の場合は、それだけじゃ解決できないものがあります。


この本の一部では、運動主体感の階層性というものもあり、もっと深いことが述べられております(Synofzik.2008)。



そこを考えさせられた患者さんと出会いました。


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これは「余剰幻肢」(Supernumerary Phantom limb)と

呼ばれる病態でした。


他にも、

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これは、「身体パレフレニア」(somatoparaphrania)という病態です。



このような患者さんと出会った時、

あなたならどうしますか?



僕もめちゃくちゃ頭を抱え込みました。


なんとかこの方達のストレスを排除してあげたい。

どうしたら改善するのか?


ここを紐解くヒントがこの本をはじめ、

「身体性」を研究している人たちの論文でした。

哲学や心理学などリハビリテーションにはとても重要な学問だと思います。


「コップを持つ時に肘はなんの役割があるのか?」

「歩く時の股関節ってなんの役割があるのか?」



人に眉毛があるのは、汗が目に入らないためです。


生き物の体には、生きていく上で必要だからあるんですよね。


そこを本当に理解することで

リハビリテーションの可能性は見えてくるのではないでしょうか?


そんなことを日々考えされられる症例さん達と出会えて僕は療法士として日々成長させてもらっております。


「ありがとう」と言われる仕事ですが、

こちらこそ

「有難う」です。



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