第9回オンラインAPD(聴覚情報処理障害)当事者交流会
開催日時 2021/01/31
開催場所 ZOOM
参加者 9名(うちファシリテーター2名)
今回も事前にテーマは設けず、自由にお話する回でした。
今回は初参加の方がお二人、ご両人とも全く予備知識なし、NHKの報道を見て「これだ!」と思い立ってすぐにご参加頂いた方でした。
その行動力もすごいなあと思いますが、今考えれば私も初めてAPDを知った時には、自分の中で繋がらなかったパーツが一気につながり、とても感動した事を思い出させられました。
【参加者の傾向】
今回の参加者は学生から50代の方まで幅広く、ただ属性としては幼いお子さんを育てている世代の専業主婦の方が多くみられました。
【冒頭で流したスライドの内容】
・「聞こえ」と難聴の簡単な説明
・「APDとは何か」
・「合理的配慮と障害者差別解消法」
【自己紹介で出たエピソード等】
・大学病院でのAPD診断後、語彙を増やす為と聞き取りのトレーニングを試している、ひと月以上継続してみているが効果が出ているように感じる。
次の診察がもうすぐなので、検査結果と照らし合わせて効果があるか考えたい。
・自分とお子様にAPDがある、他の人の対策などを知りたい
・以前に発達障害の診断済、人の話を整理して聞く事ができずぐちゃぐちゃになる、仕事で支障が出ている
・以前に工場で働いた時は全く説明が聞き取れず困った、最初は発達障害だと思っていた
・A型就労移行で働いてみたが、「自分でメモを取って仕事を覚えて下さい」と言われ、メモが起こせなくて通わなくなった。
・APD関係の検査で高音が聞こえづらくなっている事が分かり、補聴器の使用を検討中
・大学生、学校側から合理的配慮も受けられており、周りの人にも理解されていてストレスは少ない。ただオンラインの授業での聞き間違いは今もある
【フリートークで出た話題】
・仕事場での会議などでも聞き取れない事が多く、周りに聞いたりはしていたが聴覚に問題があるという自覚はなかった
→聞き返しがあまりに多くて耳鼻科に行くが異常はなし
対策は何が考えられるか?
→文字起こし、ICレコーダー等を使う、職場と相談して合理的配慮を獲得する等。
・APDの診断に病院に行きたいが、子供が小さいので病院内で託児所でもないと長い待ち時間で子供をおとなしくさせておくのが厳しい。
・仕事場で合理的配慮を受けるか相談したいが、上司はともかくとして同僚に理解されるかが不安
→補聴器やイヤホンなどを付けて「見える化」したほうが理解されるかも
どうやっても理解しない人もいるが、理解してくれる人もいる。
・学校からはできるだけの合理的配慮を受けていて、特に困り感はない
環境的にろう者や難聴者が多いのでAPDだと伝えても「そうなんだ」程度
自分が助けてほしい事を、分かりやすく伝える工夫が大事だと思う
一度では理解してもらえない事も多いので、何度も説明する、自分から話さないと兎に角始まらない。
大事なのは対話とすり合わせ。
【感想その他】
普段はフリートークをブレイクアウトルームに分かれて少人数で、休憩を挟んで入れ替えつつ前後半に分けて行うのですが
今回は途中休憩後に参加者のお一人から、「四月に控えた人事異動前に仕事場にどうAPDを説明して合理的配慮を求めるか」
という相談が出たので急遽全員でそのテーマを考える事に。
比較的年配の方から学生まで、色々な層の方がAPDという共通項で議論するのはこれはこれで面白い時間でした、内容は個別性高すぎてちょっと書けないですが。
他には前半のブレイクアウトルームでの話ですが、私がいないほうの部屋で
「APDはあるが、それでも将来人と関わる仕事をしたい」
と、若い方からでた言葉が凄くその場にいる人に響いたという話も印象的でした。
確かにAPDがあると「どう人と距離をとるか」に意識が向きがちですが、だから誰もが一人で生きていくつもりにならないといけないのは、ちょっと違うよなと感じさせられる一言でした。
次回の私が開催するオンラインAPD交流会は2021/02/28(日)13時からの予定です。
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