第一回近畿APD(聴覚情報処理障害)勉強会レポート(前編)

開催日時:2020/2/24 
会場:堺市国際障害者交流センター 中研4
テーマ:「学校生活におけるAPD」

今回は大阪市立大学医学部付属病院でAPD(聴覚情報処理障害)の診断やサポートを行っておられる坂本医師やSTの先生、またAPD当事者やそのご家族、APDに興味持たれた特別支援の教員の方などにお集り頂きました。

当日は昨今の情勢もあり、可能な限りの感染症防止策を講じ、参加者の方にもご協力頂いて開催しております。

また、レポートの話題は必ずしも時系列順ではありません、私自身が難聴などの分野において専門的な知識を持たない点もありますが、「APD当事者として響いた点」をできるだけわかりやすく書いていきます。

・APDはどこで問題が生じているのか。
言語は話し手から聞き手に伝わる過程で文字、あるいは音声によって伝えられます。
APDに関連するのは音声経由での伝達経路ですが、相手からの発音は鼓膜に到達することで「聞こえ」るようになります。
そこから内耳→神経→脳と伝達され、脳に伝わった聴覚情報はノイズ除去等の処理を経て「意味」が付くことで「聴き取れる」ようになります。

APDは脳の言語野における問題だと考えられています、ですから内耳や神経での問題から生じる他の難聴とは、検査などを通してきっちりと分けて考える必要があります。

検査を通して見分けられる他の聴覚障害の例としては、感音性障害、機能性障害、AN(オーディトリー・ニューロパチー)などがあります。

・子供とAPD
教育現場では10年ほど前からAPDの名前は出てきていたそうです。
その場合も多くの子供には聞こえでの問題はないにも関わらず、聴き取れないという状態がありました。
そしてその結果として言語の発達の遅れ、語彙の少なさが表面化して気づかれるケースが多かったそうです。
APDに見える人は4%程だそうですが、実際にAPDと診断が下りるケースは0.1%程であり、残りはADHDが要因とされ、ADHDの特徴である「注意の維持の困難さ」が会話面で表に出る時、APDの症状と似ている事がその原因として考えられます。

・APDと聴覚過敏
APDを抱える人の中で聴覚過敏を同時に抱えている人は多くおられます。
子供時代を例にとるならば
「教室の話が全部聞こえてきてしんどい」
といった形で認識されます。
それがさらに重く現れるとLD(学習障害)や共感覚のような症状と関係することもあるそうです。

・APDに関係する音響的な要素
APDの人にとってノイズが「あってもなくても」聴き取りにくさを感じます。
また音の大きさが小さい場合、聞き取り能力の左右差が大きい場合にも聴き取り能力に対して大きな影響を与えます。


以下中編に続きます。

https://note.com/kinki_apd/n/nbb67bbc4c5ed

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