第一回近畿APD勉強会事前アンケート

事前にtwitter等のSNSで拡散して頂き、現時点でのAPD当事者が抱える悩みや知りたい事を調査させて頂きました。

内容は研究しておられる医師や関係者の方にも共有させて頂いております。

最終的には48件もの回答を頂きました、ご協力いただきました皆様には心から感謝しております。
この記事では寄せて頂いた質問を大まかに分類して、それについて答えられる内容のものは文献や当日の質疑応答等からお答えするものです、
見落としなどもあるかもしれませんので、「これ答えてー!」というものがあれば→ewiglichschnee@gmail.com
こちらまでお願いします、後日追記させて頂きます。

・APDの世界的な認知度はどの程度なのか
日本がAPDの研究で遅れているのは確かですが、世界的に見ても決して進んでいるというほどではありません。
Facebookなどでも検査そのものは受けられても、その後の指導計画などで受け皿がない親御さんが連日書き込んでおられます。
イギリスが比較的受け入れ態勢が整っており、
https://apdsupportuk.yolasite.com/
このようなしっかりしたサイトでの情報提供などが行われています。
自動翻訳などを通してみて頂けると参考になるかもしれません。

・APDの人はどの程度いるのか
日本での調査では0.35%~2%との数字が文献などでは出ています。
ただしこの割合は言語によって違うと言われており、英語圏では7.8%という数字も見られます。

・APDは治療したり改善したりできるものなのか
可能性はあります、一人一人原因となる要素やそれぞれの状況は違うので一概には言えませんが、音響療法によるリハビリや、ADHDへの投薬などによって症状が軽減、あるいは感じられなくなった人がおられます。

・加齢によってAPDの症状が変化することはあるのか
加齢によって聴力や脳の機能は変化するので、「聴き取り能力」は当然変化します、それがAPDによるものか老齢性難聴によるものかは判断がつきにくい場合もあります。

・APDは遺伝するのか
→はっきりとはわかりませんが、子供のAPDの可能性を調べていて親御さんが「私ももしかしたらAPDなのかも」と感じるケースは頻繁にお聞きしています。

・聞き取れた話題を脳内で整理できないのはAPDの症状なのか
→APDの方で同じような症状を抱えておられる方はよくおられますが、ADHD等も関係しているかもしれません。

・デバイスの購入等で活用できる助成制度はあるか
→日常生活用具給付等事業という厚労省が定めた制度はありますが、APD単体での申請は厳しいと聞いています。
何れにしろお住まいの自治体によって独自の制度がある場合もありますので、福祉課か社会福祉士さんなどにご相談下さい。

・自分がAPDかどうかわからない
→ネット上ですと「フィッシャーの聴覚情報処理チェックリスト」というものがあり、ある程度のAPDのアタリを付ける事ができます。
お住まいの地域にもよりますが、近くに紹介状不要のAPD診断可能なクリニックがあればそちらに、なければ思いきってかかりつけ医などに相談して紹介状を書いてもらって検査を受ける事をおすすめします。

・APDを補うために他の感覚が過敏気味に発達することはあるのか
→勉強会で出た内容も考えると、補う為というよりもAPDを構成する要素の一部として聴覚過敏などが存在する場合が多いようです。

・電話を聞き取りやすくする工夫はないか
→電話を文字化する「テレホンテキスト」という商品が販売されています。
他にも周囲の雑音を減らす等できるかと思います。

・APDに向いている勉強法はあるか
→以前の講演会でも話が出ましたが、集団学習は基本的に向いていません。
個別指導、可能なら家庭教師等可能な限り1:1で静かな環境での勉強が適しています。

・他の当事者の方の工夫を知りたい
→ 割と人それぞれ色んな工夫をしています、クローズ、オープン就労などの違いもありますので、一度交流会にお越しください。

・聞き取り能力を伸ばす方法
→大阪市立大学病院では音響リハビリなども行われています、ADHDの傾向がある方なら投薬により改善される事もあります。
日常的にできる事であれば、ラジオをよく聞く(雑音多めの音声の聴き取り練習)、とにかくメモを取る習慣をつける、などがあります。
「APDの理解と支援」の五章あたりからも見てみてね。

・どうAPDを説明したらいいのか
→「聞こえているけど聞き取れない」とよく言われますが、親御さんやパートナーを一緒に病院に連れていって、先生から説明してもらうケースもよく聞きます。
その場で質問もできるので誤解なく伝わるそうです。

・大阪で土日診断可能な医療機関はあるか
→ないです、大阪市大病院も初診は月曜のみです

・吃音とAPDの関係
→吃音、緘黙を合併しているAPD児は多いそうです。

・語彙を増やす事は有効な対処法か
→当事者の間の話でも「聞いたことがない言葉は聞き取れない」とよく話題に出ます、語彙が増えて「知っている」単語や名称は多いほうが少しは改善されるかと思います。


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