私自身のAPD(聴覚情報処理障害)についての説明と対応
たまには、私自身の聞き取りの困難さに関する話を
これを読んだ同じような困難さを抱える方の、思考のとっかかりにでもなれば幸いです。
【聞き取りの困難さに気付いたきっかけ】
・聞き取りへの違和感を感じた最初の記憶→中学生
・はっきりと違和感を感じたきっかけ→在籍している教会で、他の人がメモを取れる講話の内容が、私の場合には頭の中で意味として輪郭を持たないまま霧のように消えている事に気付いた時。
ここ数年で諸々の要素で成員が増えたのだが、増えるに伴って(およそ70人から100人オーバーに)聞き取りの困難さが増していった。
【聞き取りの困難さに気付いて取った対応】
・最初に取った対応
聞き取りの困難さと同時に生じていた、日中の強烈な眠気(数秒から数分で意識は戻る)から睡眠時無呼吸症候群を疑い、睡眠外来で診て頂く。
「軽度の睡眠時無呼吸症候群はあるが、そこまで生活に影響するほどではない」との診断を受け、生活指導をして頂いてまずはそれに取り組む(主に減量と規則正しい十分な睡眠時間の確保)
・次にとった対応
次に発達障害の傾向を自分でも感じていたので、隣市の心療内科へ
結果としては
「コミュニケーション能力に障害はあるが、発達障害とまでは言えない」
という、俗にいうグレーゾーンの診断を頂く。
サマリーを紛失してしまったのですが、WAIS-Ⅲの数字としては
言語性IQが119 動作性IQが90で上下の差が結構あるなー、というのはぼんやり覚えています。
ただこの結果を見ながら「聞きとりがしんどいのは、何かもうちょっと違う原因がある気がする」というぼんやりとした予感がしていました。
・APDを知って、検査を受ける
その後、報道でAPDについて知ることになり、当時栃木におられた国立医療福祉大の小渕先生に診て頂きました。
結果としては「軽度のAPD」という見立てで
「話していて聞き返しはあんまりないけど、検査(雑音下の聞き取り検査等)をすると数字は(聞きとれてないと)出るのがちょっと不思議」
という感じでした。
これは私が軽度故か、その後も色々試した結果として一日のうち連続で二時間程度までは取り繕える程度に情報が聞き取れ、脳に届く聞き取り情報が虫食い状態でも、会話の情報を補完しきれるようです。
その枠内に検査が収まったのでまだボロが出なかったのかなと
そしてやはりここでも一番目についたのは、私自身の聴覚から入る情報のワーキングメモリ(WM)の弱さ
そして、数年かけて上の三つの検査を受けてからの対策のターンです。
【生活面】
・まず、聞き取れないのは耳ではなく脳の問題、ならば自分の脳の持つスペックをどうやって可能な限り落とさずに運用するかを考える
・睡眠時間を可能な限り確保する、寝具や枕などの睡眠環境に幾らか投資する
・睡眠と体重に関係性があることを睡眠外来で教えて頂いたので、減量(現在進行形)、一時期よりは10kg以上は痩せました
・メンタルクリニックに相談してアトモキセチンを処方開始、飲み始めて副作用も色々出てますが、全体としては生活の中のストレスがかなり軽減されたので心理面での負担が軽減
【工夫】
・聴覚から入る情報に関して、自分のWMは全くアテにならない、ならば最初からアテにせずに文字化や資料の予習、入ってきた音声を走り書き&飛び飛びにでもメモに落とす事で、視覚的な情報に頼るようにする
・それでも会話していたら単語や文字の幾つか、母音子音の聞き飛ばしは頻発するが、それはもうどうしようもないので気にしない事にする、重要なのはそれをどうフォローするかのテクニック、私は悪くないと自分の中で開き直る(個人的にはここ重要
・人と話すときは位置取りに注意、周囲にある雑音を発生させる原因(機械とか)と話者が一直線にならないように、或いは間に雑音源が入らないように位置取りする。特に一直線だと面白いように雑音に音声が溶けるので注意。
・教会の直属の上司には事情を説明して合理的配慮を求める、ノイズキャンセリングイヤホンや文字化アプリの使用にOKをもらう。
・語彙を増やす、書籍、新聞、触れたことのない分野のものも積極的に読んで常に語彙を増やす事を意識する。
全く知らない単語や言い回しは聞き取れません。
・ひどく聞き取れない場面に出くわした場合、原因を常に分析する
日常生活では似たような場面の繰り返しのようで、時として普段ではありえない位全く聞き取れない場面、一文字も聞き取れないような場面が発生する事が私でもあります。
そのような場合には必ず何か原因があります、空間の反響の加減か、自分の体調か、たまたま飲み忘れた朝の薬の影響か、原因は様々ですが
普段と違う聞こえの困難さを感じた場合、その原因を考え、仮説を立てて検証すると収穫が(たまに)あります。
聞こえの困難さそのものはどうしようもなくても、それによって感じる辛い思いは、日々のトライ&エラーの積み重ねで軽減が可能だと思っています。
以上ざっと、私の聞き取りの困難さの来歴と対応でした、感想やご質問等ありましたらコメントやメール(ewiglichschneeあっとまーくgmail.com)を頂けますと大変励みになります。
どなたかの、聞き取りの困難さへの助けになれますと幸いです。
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