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【読書会】第46回乱読の読書会(2021年11月)レポート

こんにちは!

11/13(土)の夜に、定例で行なっているオンライン読書会(乱読の読書会)を開催いたしましたので、その内容をレポートしたいと思います!参加者の読んだ本のリストもこのレポートの中で紹介しますので、もしよければご覧ください。


概要

この読書会は知識や知恵を得るための本をよく読んでいる方が集う、ボイスチャット形式のオンライン読書会です。 具体的には月に10冊以上の本を読むというのを一つの目安とし、コンセプトは「多様な本が行き交う場」!

全体の流れとしては、まず順番に自己紹介を行い、その後に読書会のメインイベントとして①月間ベスト本の紹介と、②読んだ本リストを見ながらのQ&A形式のフリートークです。

今回の参加者は4人。事前に参加者の方から10月に読んだ本のリストを頂き、主催である私がそれを一つの表にまとめて参加者の方々に配布しました。実際の読書会ではそれを見ながらの進行になります。↓が実際に使ったリストです。

個人利用の範囲で閲覧・ダウンロードは自由にしていただいて問題ありませんが、二次使用・無断転載等はご遠慮願います。

【第46回】乱読の読書会リスト.xlsx


ベスト本紹介

リスト内の黄色塗りのセルは各参加者の月間ベスト本です。ここでは、それぞれの本について簡単に説明します。


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リベラルの敵はリベラルにあり / 倉持麟太郎 (‎筑摩書房)

こちらはわたくしKJが紹介させていただいた一冊です。倉持麟太郎という弁護士の方が、いわゆる「リベラル」という考え方についての問題点や民主主義という制度の問題を指摘しつつ、その対策としての「カウンターデモクラシー」という考え方を提言するというもの。

一人ひとりが思いやりを持って適切に判断できる「個人」を前提としているのが民主主義の問題点であるという指摘が非常に鋭いと思いました。また、民主主義の問題点を指摘するにとどまらず、その解決策について具体的に論じている点も興味深く、勉強になった一冊でした。


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紙の心 / エリーザ プリチェッリ グエッラ(岩波書店)

この本は以前「プロ司書の検索術―「本当に欲しかった情報」の見つけ方」を紹介頂いた方のベスト本です。この本はイタリアの青春小説で、書簡形式(手紙のやりとり)の形式で進んでいく物語だとのこと。恋愛要素がありつつも、それだけにとどまらない面白さがあるようです。

図書館で本に挟まった手紙から始まったやりとりというのはなかなかロマンあふれる展開ではありますが、どうやらその舞台は子どもを集めて何らかの実験を行っている研究所だとのこと。その背後にあるものはなんなのか、SF・ディストピアものとしての面白さもあるそうです!


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現代民話考 9 木霊・蛇・木の精霊・戦争と木 / 松谷 みよ子 (筑摩書房)

この本は以前「アフリカの難民キャンプで暮らす - ブジュブラムでのフィールドワーク401日」を紹介頂いた方のベスト本です。内容としては、日本人にとっても馴染み深い木や山に関する民話を集めた本だとのこと。民俗学を学ぶ上では教科書的なシリーズなのだとか。

樹木に対する畏怖というのは古来よりどんなコミュニティにもあったそうですが、特に昭和の高度経済成長期ころより開発がすすみ、人々の意識が変わってきたようです。短い伝承が羅列されているタイプの本ですが、それでも十分面白かったとのことでした。


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歪顔(ビザール・フェイス) / 前川裕

この本は以前「AI vs. 教科書が読めない子どもたち 」を紹介頂いた方のベスト本です。紹介者の方としては初読みの作家さんで、32ページくらいの短編小説だとのこと。この方は月に一冊は初めての作家さんの本を読むことを決めているらしく、その中で選んだ一冊のようですね。

2015年に書かれたそうですが、読んでいて新型コロナウイルスを彷彿とさせるような印象をうけたそうです。短い小説でありながらも、伏線回収がかなりしっかりしていたらしく、そのあたりが面白かったとのこと。Kindle Unlimitedでも読めるようなので、さくっと読んでみても良いかも知れません!


Q&Aタイム

今回もこれまでと同様に、Q&Aタイムとして、リストを見ながら1人1回づつ他の参加者に自由に質問ができるという時間を設けました。この読書会では、話していない人もミュートの必要がなく、どんどんコメントしていい形式にしているので、ひとつの質問から話題が広がることがあってなかなか楽しいですね。


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まず、話題になったのが「答えは本の中に隠れている」という岩波ジュニア新書の一冊。内容としては、主に中高生向けに身近な悩みに対しておすすめの本を紹介するというもの。友達関係のことから女性として生きていくには?というテーマまで、かなり幅広く扱っているようです。岩波ジュニア新書や、同じようなコンセプトのちくまプリマー新書などはよくこの読書会でも話題になりますが、中高生向けとはいえ素朴なテーマを扱っているだけに、大人が読んでも参考になることが多いと感じます。


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また、先月私が岡田斗司夫さんの本をよく読んでいたこともあり、この方についての話も少し話題に上がりました。実は私もこの方の経歴についてそこまで詳しく知っているわけではないのですが、アニメやSFを始めとしたサブカルチャーに非常に詳しい方でもともとはアニメ制作に携わっていた方のようです。かなり早い段階から「評価経済」の到来を予想していたりと、個人的には鋭い洞察力を持った方だと思っています。色々と本も書いているので、一度読んでみても良いかも知れません。個人的にはちくまプリマーから出ている「世界征服は可能か?」という本がおすすめです!

その他、一般的な読書についての話題として「ビジネス書」という言葉についての話でも盛り上がりました。なんとなく使われていながら、いまいちとらえどころのない「ビジネス書」という言葉について、みなさん色々と考えをお持ちなんだなという所が聞けてなかなかおもしろい会話になりました。個人的には「ビジネス書」という言葉がちょっと広い意味で使われすぎなのではないかという気はしていましたが、今まであまり深く考えたり話したりしたことがなかったので、非常に貴重な経験になりました!

そんなこんなであっという間の90分でした!


まとめ

今回は昨日行ったオンライン読書会のレポートを書きました。今回もいつもどおり幅広に話が展開されて非常に楽しい時間でした。今後の読書会の予定としては11/27(土)と12/11(土)の20:00~21:30となります。

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それでは、また!

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