【読書会】第54回乱読の読書会(2022年4月)レポート
こんにちは!
4/9(土)の夜に、定例で行なっているオンライン読書会(乱読の読書会)を開催いたしましたので、その内容をレポートしたいと思います!参加者の読んだ本のリストもこのレポートの中で紹介しますので、もしよければご覧ください。
概要
この読書会は知識や知恵を得るための本をよく読んでいる方が集う、ボイスチャット形式のオンライン読書会です。 具体的には月に10冊以上の本を読むというのを一つの目安とし、コンセプトは「多様な本が行き交う場」!
全体の流れとしては、まず順番に自己紹介を行い、その後に読書会のメインイベントとして①月間ベスト本の紹介と、②読んだ本リストを見ながらのQ&A形式のフリートークです。
今回の参加者は5人。事前に参加者の方から1月に読んだ本のリストを頂き、主催である私がそれを一つの表にまとめて参加者の方々に配布しました。実際の読書会ではそれを見ながらの進行になります。↓が実際に使ったリストです。
個人利用の範囲で閲覧・ダウンロードは自由にしていただいて問題ありませんが、二次使用・無断転載等はご遠慮願います。
ベスト本紹介
リスト内の黄色塗りのセルは各参加者の月間ベスト本です。ここでは、それぞれの本について簡単に説明します。
砂糖の世界史 / 川北 稔 (岩波書店)
こちらはわたくしKJが紹介させていただいた本です。Kindle Unlimitedでよんだ岩波ジュニア新書の一冊。これは余談ですが、参加者の方のひとりも同じように4月にこの本を読んでいたようです。内容としては、砂糖という商品を通して世界史(特に近代史)を読みといていくというもの。
砂糖の世界史を考えるうえで外せないのが列強帝国時代の植民地政策とそこで行われていたプランテーション、そして労働力確保としての奴隷貿易。イギリスのお茶文化についても触れられており、優雅なイメージのアフタヌーンティーにもそんな闇があると考えると、少し見方が変わってきますね。
ひとり白虎 会津から長州へ / 植松 三十里(集英社)
この本は以前「歪顔(ビザール・フェイス)」を紹介頂いた方のベスト本です。こちらの本はタイトルからもなんとなくわかると思いますが、白虎隊の生き残りである飯沼貞吉にフォーカスを当てた時代小説のようです。舞台としては戊辰戦争後の長州ということのようですね。
仲間たちが自決した白虎隊にあって、唯一生き残った飯沼貞吉。拠点である会津からかつての敵陣である長州に引き取られるという波乱万丈の半生を描く小説のようです。よそ者として長州で暮らすことになった貞吉が周りとどのように関係を作っていくか、周囲の人とのやり取りが感動的だったそうです。
鳥になった少年―カルリ社会における音・神話・象徴 / スティ−ブン・フェルド(平凡社)
この本は以前「現代民話考」を紹介頂いた方のベスト本です。こちらの本はフィールドワーカーの筆者がニューギニアのカルリ民族を研究した過程が書かれている一冊とのこと。この民族は音に非常に大切にする文化のようで、それについて細かく書かれているとのことでした。
紹介者の方が言っていたのが、この民族の音についての感性の鋭さが非常に印象的だったということです。先にも書いた通り、音や声を非常に大切にする民族のようでそれについての伝承なんかも多いようです。Amazonを見てみたらプレミア価格になっていたので購入は難しいかもしれませんが、図書館などでは比較的見つかりやすい一冊なのかもしれません。
長い冬 / ローラ・インガルス・ワイルダー(岩波書店)
この本は以前「プロ画家になる! 絵で生きていくための142条」を紹介頂いた方のベスト本です。私はあまり知らなかったのですが、この筆者が書いた「ローラ物語」という一連の児童小説シリーズがあり、そのうちの一冊だとのことです。
印象的だとおっしゃっていたのが、日本ではなかなか考えられない気候の描写です。確かに、数日間吹雪で全く外に出られないという経験は現代日本で暮らしているなかではなかなか体験できないですよね。児童小説ながらも、厳しい現実を描いているのが特徴的だったそうで、そのあたりのバランスの良さは興味深いですね。
戦争は女の顔をしていない / 小梅 けいと、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(KADOKAWA)
この本は以前「失はれる物語 (角川文庫)」を紹介頂いた方のベスト本です。かなり久しぶりに参加いただいた方で、間が空いてもこうして参加いただけるというのはうれしい限りですね。上で出している画像は漫画版のものですが、それに限らず原典を含めてご紹介いただきました。
原典はノーベル文学賞を受賞したノンフィクション作品で、女性の視点から見た独ソ戦をまとめたもの。以前に原典読んだときはあまりピンとこなかったそうですが、漫画版を読むことでビジュアルをイメージしやすくなったとんことでした。読んでいてつらくなるということでしたが、そのぶん得られるものがあるのかもしれません。
Q&Aタイム
今回もこれまでと同様に、Q&Aタイムとして、リストを見ながら1人1回づつ他の参加者に自由に質問ができるという時間を設けました。この読書会では、話していない人もミュートの必要がなく、どんどんコメントしていい形式にしているので、ひとつの質問から話題が広がることがあってなかなか楽しいですね。
まず話題になったのは「世代間格差ってなんだ」という本について。本を読んでいる方だとこういった話題については興味がある方が多いのかなという印象ですが、内容としては新卒でうまくいかなかったら難しいという現代日本の在り方についての一冊だとのこと。なかなか難しい問題ではありますが、あらゆる視点から考えていく必要があるのでしょうね。
その流れで私が質問いただいたのが橘玲さんの「無理ゲー社会」という本について。こちらは世代間格差というより、知性による格差について述べられた一冊です。なかなか刺激的な内容なので人によっては咀嚼するのが難しい意見だとは思いますが、向き合わなければいけない問題なのだろうなと個人的には思ってしまいます。
ほかに話題になったのは「リプトン自伝」という自伝について。みなさんご存じの紅茶のメーカー「リプトン」の自伝だそうです。紅茶というと優雅なイメージですが、創業者は決していい家柄の方ではなく、個人商店の経営者から今のようなグローバル企業に成り上がった人のようです。早いうちから広告の重要性に気づき、それが事業の拡大につながったようです。さらっと読んでも創業者の生の体験が面白いそうなので、カジュアルにも楽しめそうな本ですね!
そんなこんなであっという間の90分でした!
まとめ
今回は先日行ったオンライン読書会のレポートを書きました。今回もいつもどおり幅広に話が展開されて非常に楽しい時間でした。今後の読書会の予定としては5/14(土)の20:00~21:30となります(今月から月一回開催になります)。
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それでは、また!