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電子化書籍のためにネットワークストレージを構築した話

こんにちは!

今回も自炊した書籍についての話を書いていきます。具体的な設定方法等もここにまとめようかと思いましたが、思いの外長くなりそうだったので、ソフトのインストールや設定等は別記事にまとめるつもりです。

前回の記事↓

前回の記事までで、紙の本をpdf化したうえで文字認証をかけることが出来たわけですが、次に考えるべきはこのファイルをどこに置いておくのかという話です。もちろん、適当な外付けHDDにバックアップを取っておいて適宜必要なデバイスに入れるという運用でも特に問題ないのですが、どうせならもうちょっと便利な形で運用したいなと。ぱっと思いつく限りで欲しい機能は下記です。

1.  どのデバイスからでも手軽にアクセスできる
2. 万一に備え、最低限二箇所に同一のファイルを保存する
3. 将来的にファイルが増えても手軽に容量が増やせる

最低限はこのくらいの機能は欲しいかなと言ったところですね。これらの機能を見た時に一般的に考えられる方法は「Dropbox」などのクラウドストレージを使うことだと思います。クラウドストレージを利用すれば、インターネットにさえ繋がればどんなデバイスからでもアクセスできますし、ローカルとの共有によって適切な二重化も手軽に可能。さらに有料プランを申し込めば容量アップも容易です(Dropboxならば月々1200円で2TB、2000円で3TBまで増設可)。

しかし、今回はあえてクラウドストレージサービスは利用せず、自宅のLAN環境にネットワーク共有フォルダを設定することで対処することにしました。理由はいくつかありますが、一番大きな理由は自宅のLAN環境にWIMAXを使っている関係上、インターネットとの通信量に一定の制限がかかっていることです。

通信制限といっても「3日で10GB使うと翌日速度が低下する」というものなので、普通に使っている分にはまず問題ないのですが、クラウド共有で頻繁にデータを出し入れするとなるとここがネックになってきます。オンラインストレージとのデータのやり取りは当然インターネット経由になるので、このやり取りもまた通信量制限にカウントされてしまうというわけですね。普通に考えて、数TBのストレージとのやり取りが一日で数GB単位でしか出来ないのは不便だしナンセンスですw 何より、いちいちファイルのやり取りをするたびに通信容量を気にしなければならないのは精神衛生上よろしくないです。

理由はこれだけではありませんが、諸々の事情を考慮して、今回は自宅ネットワーク上の共有フォルダにファイルを保存することとしました。具体的には、例のLinuxマシンに付けている外付けHDDを共有フォルダとして設定し、AndroidスマホやiPadからアクセスできるように環境を構築します。要するに、外付けHDDを簡易的なNAS(Network Attached Storage)として使うというわけです。

実際のネットワークの構成は下のような感じ(図の点線は無線接続)。ここでもまたLinux特有の難しさに翻弄されながらも、最終的には無事AndroidスマホやiPadからPCの外付けHDDにアクセスできるようにしました。追加でルーターとか買わないといけないかなとも思いましたが、WIMAXの無線ルータだけで全く問題ありませんでした。案外これ一台で色々とできるものなのですね。

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そして例の電子書籍ファイルについては、このネットワークストレージとiPad、PC本体(SSD)の三箇所に格納することにしました。これだけやれば、さすがにロストすることはないでしょう。それ以外のファイルの冗長化の仕方については現在考え中です。できればクローン用のストレージを追設して、自動複製できるようプログラムを組みたいところです。

これを書いている現時点、実際にこの形で運用していますが、使い心地は非常に良好でかなり気に入っています。Linuxということで設定のところで躓くことも多かったですが、それだけの価値はあったかなと(そして、この試行錯誤の過程自体が楽しいw)。

クラウドストレージを使うよりも早く手軽に使えますし、ファイルそのものに直接アクセスする関係上、同期エラーや競合等の面倒なことを考えなくて良いのもポイントです。専用アプリでは無く、汎用のファイルコマンダーでアクセスできるのも良いですね! また、容量が足りなくなったら必要な分のHDDなりSSDなりを買ってくれば良いだけなので、キャパアップへの対応もバッチリです。

さらに言えば、ネットワーク関係の知識がだいぶ増えたという思わぬ副産物もありました。もともと「ipアドレス」という言葉もよくわかっていなかったことを考えると、大きな進歩だと言えるでしょう。

逆にクラウドストレージサービスに対して劣るところを挙げるなら、①PCの電源を切るとHDDにアクセスできなくなる、②家の中でしか共有できない、③他人との共有は不可、というあたりですかね。①と②については現在対応を検討中でなんとかなるかなぁとは思っていますが、③に関してはちょっと難しいですね。そもそも他人と共有したいファイル自体は多くないので、そういう時には大人しくクラウドストレージを使えば良いかなと。

とまあ、こんなかんじでローカルにネットワークストレージを追加してみたというお話でした。構築するのには多少手間はかかったものの、利便性は思った以上に高かったので作ってみた甲斐は十分にあったと思います。実際に行ったPC側やモバイル側の設定については別記事にまとめるので、興味がある方は少々お待ち下さい。

>2020/05/29 更新しました!

それでは、また!

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