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留学のお話③ドイツ美大の教授に突撃!

こんにちは!雑貨ブランドkin.iro.hitodeを運営しているMarinaです。留学のお話を書くと宣言したのに、ちっとも進まなくてごめんなさい。①と②はこちらです。
留学のお話①
留学のお話②
〜前回までのあらすじ〜
美大の大学院に進学するつもりが、ひょんなことからドイツ留学を決意。語学力0、コネクション0、海外経験0の状態で、何も持たずに初の一人暮らし・初の海外暮らしをスタートさせました。*今回の内容は、インスタライブでお話ししたドイツの話と重複します。

いざ芸術大学へ!

日本から準備していた絵やポートフォリオ(ドイツではマッペといいます)が届いたので、いざ、デュッセルドルフ芸術大学へと絵を持っていくことになりました。片言のドイツ語で聞いたり、日本人の留学生の方に相談に乗ってもらうなどして、お目当ての教授がいつクラス(アトリエ)に来るのか情報を突き止めました。日本の美大もそうなのですが、教授が学生の作品にアドバイスをする"講評会"というものがあります。講評会の時は確実に教授がアトリエに来るので、そのタイミングを狙い教授に会って、クラスで学ぶことを許可してもらおうという作戦でした。留学のお話②でも書きましたが、私のお目当ての教授は画風が少し自分のに似ていると感じたプロフェッサーSという教授です。

プロフェッサーS

ドキドキと待っていると、教授が現れました!写真で何度も顔を確認していたのですぐに分かりました。私はすぐさま駆け寄り、拙いドイツ語で「絵を見ていただきたいんです。日本から来ました!」と言いました。今考えれば、少し失礼だったかな、、必死な感じになっていたと思います。「チューターHと話して、アポを取ってくださいね」と言われてしまい、その日はそれで終わってしまいました。急に行って見てもらえるわけないかぁとその時はがっかりしながらも納得し、チューターにアポを取りたい旨を伝えました。

チューターを恨むわたし(笑)

チューターとは、クラス長のことです。悪者にしてしまったら申し訳ないんですけど、、少しチューターHを恨むことになりました。アポを取りたい旨を伝えたのですが、「このクラスはいっぱいだから、もう入れない!」の一点張り。何と、プロフェッサーSをお目当てにデュッセルドルフの街に決めたというのに、一回も見てもらえなかったのです、、。今思えば、教授がチューターに断るよう指示していたのかもしれません。途方にくれながら、大きなマッペ(絵を入れるファイル)を片手に学内をうろうろしていると、日本人の女性に話しかけられます。

救世主が現れる

その日本人の女性は私と同い年くらいの方だったのですが、ドイツ語が上手で、服装や雰囲気もドイツ人のような雰囲気。聞けば、隣町の芸術大学の学生なのだとか。
「今日はプロフェッサーBに絵を見せにきたの!転校したいんだ。あなたも見せてみれば?」
そう言ってもらえた優しさにとっても感動しました。いや、その時は必死だったので感動したのか覚えてないのですが、今思い出しながら書いていて、あれは優しさだったと感動しています。自分も大変な中で見ず知らずの人に手を貸すなんて、なかなか出来ないことです。彼女もアポを取っているわけではなく、二人してアトリエの前でプロフェッサーが来るのを待ちました。プロフェッサーBのクラスの人達はとても優しく、チューター(クラス長)の女性も、「いいわね!絶対絵を見てくれるわよ!!」と言ってくれて、あまりの対応の差に驚きました。

しばらく待っていると、プロフェッサーBが颯爽と現れました。神様のような神々しい雰囲気のおじさま。スキンヘッドに素敵なバンダナが印象的。とても優しい雰囲気で、快く見てくれることになりました。失礼なことに、私は先生のことを何も知らず、内心、(この先生はどんな画家なのだっけ、、)と思っていました。「ふんふん、ガストになりたいんだね。これにサインすればいいんだね?」と、サラサラ〜とサインをしてくれました。その紙は大学の事務所で貰ってきたもので、教授のサインがあると聴講生として大学に所属できる書類でした。プロフェッサーSにサインを貰うはずの紙でした。全く想像と違う展開になりましたが、私はその日に晴れてドイツの美大の聴講生になれて、助けてくれた日本人の女性とアルトビールで乾杯したのでした。

*デュッセルドルフの有名な黒いビール。癖があるけど、おいしいです。

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