昭和のgifted - 49 絶滅危惧種と忖度
前回のお話しはこちら
なんか昔から「わりとみんなが実は心の中では思っていた言いにくいこと」を先陣を切って発言して自ら渦中に飛び込む癖がある。
忖度とか苦手だし、イラっとしたら顔にでちゃうし。感情表現オーバーだし。
喧嘩を売ってるつもりはないが、なんかこうモヤっとした雰囲気というかみんなでなるべく空気を壊さないようにしている感じとかに居た堪れなくなってついポロっと「あいつ苦手なんだよな。」とか仕事のことだったら「びっくりすぎるほどプランもずさんで会社員って無駄作業好きだよなって思っちゃう。」とか。
代理店さんの仕事っぷりとか見てたら一周回って逆に感心しちゃうことすらある。
意味のないことに値段をつけて売る商売…ジーザス…!!!
まぁとはいえ「普通」の方より寛容だから多少思うところはあっても譲歩はする。話し合いで折り合いつかないなら譲歩はする。仕方ないなって思って譲歩はする。
こうした時点でおかしな認識のズレが生じる。
こちらが譲歩したことに「やったー!勝ったー!」ってなる人たちが存在するってことだ。こちらは譲歩した上で条件定義をしているにも関わらず、譲歩してくれたから条件は無視して良いと都合よく解釈する人たちが存在する。
いやいや、条件提示したじゃん?
の流れからの話し合いでまた譲歩する。再度条件について説明する。
これが何回か繰り返されると条件を無視された上でこっちは3譲歩以上してんだよ。譲歩って言葉の意味わかるか?お互い同じだけ歩みを譲るんだよ。てめぇ一歩も譲ってねぇよな?となってしまいにこちらがフルカウンターを喰らわす羽目になる。
そしたら自分が譲歩しなかったことを棚に上げて急にキレた!とか非道だ!みたいなこと言い出すんだけどこっちもどっちが非道だよ…と思った時点で歩みを譲れなくなるのでもう決裂か追い込みしかない。
君たちが譲歩してもらってただけでこっちは納得もしてなかったしなんなら怒っていましたよ?
社会的な立場で言うと「窮鼠猫を噛む」かもしれないけど私からしたら単純に「象怒らせたら大暴れ」なだけだ。
いくらギフテッドが博愛主義だとしても所詮人間だから、左の頬を差し出して、右の頬を差し出して、もっかい左の頬を差し出したあと「もっかい右の頬出してー!」と言われたらどてっ腹にグーパン出るよ?
文明的な言語で話し合えないのなら肉体言語で語り合うしかなくない?
初手で譲歩してもらえなくて喧嘩になる方がむしろ平和的とも思えるほど譲歩の負債を抱えてることに気付けない人も多い。
そんなこんなで5、6年前にギフテッドかも〜ってなった頃から私は開き直ることにした。
多少略歴話して感心を示してくる相手には「どうやら私ギフテッドみたいで。」ともう初手からいく。「ギフテッド」がわからない人には座敷童子やサイヤ人とか相手に伝わりそうな比喩を用いて説明する。
仲良くなった友達にはある日突然カミングアウトしてみる。
歪んでるかもしれない認識も含めてではあるものの、ある程度ギフテッドってジャンルの人がいるらしいという認識が増えつつあるので、私がカミングアウトすると「どうりで!」「合点がいった!」みたいに言ってくれる人の方が今や多いから面白い。
中にはギフテッドがどうとか気にしていない人もいて、「へぇー。」くらいに留まる人もいるんだけど、そういう感じだった友達に「ギフテッドってさぁ、こういう特性らしいんだよね…」って話すと「難儀な生き物だなぁ笑」と言う人もいた。
そう言い放った友達の言葉はある意味目から鱗だった。
人ってこうじゃん、ああじゃん?じゃなくて「難儀な生き物」として認識してくれてる!!!
人かどうかでくくるから生きづらいとか支援みたいな話が出てくる訳で、最初から「そういう生物」として認識してもらえてれば話が早い。
むしろそう言ってくれた方が「この人はフラットだぁ〜!(信用できるかも!)」ってなる。実際私はそう思った。
絶滅危惧種だったら保護するorしない論争が巻き起こってその生物が何を望んでいるのかを考えるべきみたいなところにまで話が進むのに、人語を界せるとなると極端に説き伏せようとか説得を試みるのか。
まぁそれはギフテッドが擬態しちゃうからってところもあるんだろうけど。笑
絶滅はしないんだろうけど、絶滅しちゃいそうなくらい疲弊してるギフテッドたちがいる。
ギフテッドの生きづらさからの自殺者輩出はある意味「普通の人たち」の乱獲のせいだ。
私の様に環境適応の進化を遂げて生き残るギフテッドも稀にはいるかもだけど、いろんなギフテッドの記事読んでて結構なレアケースかもしれないと思う様になった。
ギフテッドに必要なのは「支援」じゃなくて「保護」。当事者かもしれない私がそんなこと言い出したら「何様のつもりだ!」とか言う人が出てくるかもしれないけれど、忖度できないからとりあえず書いておこう。
ギフテッドはすごい人でもなんでもなくてただひっそり幸せに暮らしたい単なる絶滅危惧種なのかもしれない。
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