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一体助けられたのは誰。

仕事で時々恵比寿駅を利用する。
東口の方。
かの有名な
恵比寿ガーデンプレイス側の改札ユーザーだ。

この駅を利用するのは月に数回だし、
利用し始めたのも最近のこと。
と言っても数ヶ月経つ。

先日、朝の通勤ラッシュを
フィニッシュし
ようやく改札を出られるゴール!寸前

という時に名前の付け難い
不思議な現象に襲われた。

目の前から
「スミマセーン」
と見るからに日本ではない
どこかの国の方。

「やばい…やめてくれ」
大学英語?いや、高校英語で
終わっているような私をなぜ選んだ。

恵比寿だよ、もっと適任者いるやん!
とツッコミ。

内心焦りつつ、
こんな都会のど真ん中恵比寿で
私の英語力が露呈してしまう!

というプライドなんかは
瞬時にかなぐり捨て、
とりあえず応じた。

カタコトに
「ヒロオエキイキタイ」

なるほど、広尾駅に行きたいのだな。
恵比寿駅から広尾駅は
日比谷線で一駅だ。

ならば、東口の改札を出て
左手にまっすぐ進んで、
エスカレーターを降りたら見えてくる。

経路は簡単。
しかし、これを表現する語彙、
英語力を持ち合わせて
いないではないか、Oh my god! 

言葉は出ないのに、
手や指は動く。
いや、言葉が出ないから
手が動くのだろう。

「日比谷線(の表示を指差して)、
ゴーストレート」

何も出てこないやん、
嘘やん。

必死に英語を出そうとして、
こちらもカタコトになる。(なんで)

そして、相手からも
カタコトに返ってくる。

「ココマッスグ?」
「ソウソウ!」

ん?今、会話成立してない?
私のカタコト日本語に
カタコト日本語で返している!
つまり、日本語の会話!

「日本語わかりますか?」

大きく頷く彼。

えーーー!!早く言ってよ!
今までの時間なんだったんだよー!
ルー大柴になっちまったよ。
恵比寿駅で。

いや、相手は悪くない。
これは私の偏見なのではないか。

彼に話しかけられた瞬間から、
もう英語で頑張らないと!
って必死になっていた私には
そこに気が付く余裕もなかったよ。

日本語話せなくて、
目的地までの道が
わからなくて聞いてきた
とばかり思っていた。

思い込んでいた。

この方、令和のボビーオロゴンやん。
(もちろん例え話で)
カタコトに聞こえていたのは
私の耳だったのかもしれない。

私がカタコトに仕立ててたんだ。
偏見。英語喋れないことより
恥ずかしい。

結果、これって助けられたの私じゃん?
英語喋れなくて、
私が助けられたのよ。

どちらが助けを求めて、
助けたのかよくわからなくなったぜ。


前に空港の駅のホームで
外国から来たであろう
カップルに話しかけられた。

今回と全く同じ状況。

ただ1つ違ったのは
2人とも英語しか
話せなかったこと。

「最終目的地はここだけど、
途中でこの駅で降りたいんだ!
この路線で合ってる?」

みたいなことを聞かれていた、多分。

そんで、
「この電車は最終目的地には行くけど、
特急だから途中降りたい駅には
止まらないみたい。
1本後がいいよ👍」

みたいなことを言いたかったけど、
その時ももちろん英語で
説明する力はなくて、
私が困った。

このやりとり繰り広げている
大人3人の塊のすぐ傍に、
こちらに視線を送り、
明らかに会話を聞いている少年がいた。

「もしかして英語話せますか?」
頷く、少年!
もっと早く登場してくれー!
年は重ねているけど
英語は話せないんだよー!

かくかくしかじか。
その少年は状況を汲み取り
英語でスラスラ説明してくれた。

この状況、、、
今思い返すと、助けられているのは私だ。
電車がわからず助けを求められて、
英語喋れなくて助けを求めて、
助けてくれる人がいた。

私は一体何なのだろう。

この教訓は英語は話せるようになろう、だ。


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