「男はつらいよ お帰り寅さん」

寅さんシリーズは第48作「寅次郎紅の花」で終幕。
第49作は「寅次郎 ハイビスカスの花」のリメイク版で、第50作「お帰り寅さん」はその後のくるまやの人々を描いた作品です。

「お帰り寅さん」では、満男も中学生の娘がいる中年の大人になっています。
おいちゃん・おばちゃん・タコ社長はもうお亡くなりになっていて、さくら夫婦もいいおじいちゃんおばあちゃんとなっていて……。
満男の娘やタコ社長の孫などが新しく若々しい姿を見せてくれてはいるが、何処か寂しさを感じさせるくるまやの風景です。
そう、私たちは既に知っているように、寅さんはもうとらやには帰ってこないわけで、寅さんとマドンナを囲んでご飯を食べながら歓談した、あのお茶の間はもう戻ってこない。
満男と泉の恋の再燃で、随所に姿を見せはじめる寅さん。そして過去に登場した女性たちの美しい思い出がフラッシュバックされて、これ以上ないほど、寅さんを懐かしく温かく思い出させてくれる良作でした。

第49作では八代亜紀、第50作では桑田佳祐がオープニング主題歌を歌いました。お二方ともとてもいい歌で良かった……んだけど、これは歌の技量とか出来栄えの問題ではなく、やっぱり寅さんを見たいと思って観ている観客には渥美清以外は無いわけで、そういう意味では普通に渥美清の歌を使っちゃダメだったのかなーと。


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