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かぞくの話


私には、精神障害者の妹がいる。
20歳で発症して、今39歳(もうすぐ40歳)、同居も8年目だ。
8歳だった甥が15歳になった。

岸田奈美さんのことは随分前から知っていて、あっけらかんと正直に丁寧に書かれた文章が好きだし、心が強い人、優しい人だとおもう。

障害の種類が違う家族が2人いて、頼れる人がいないのは本当に大変だと思う。
綺麗事なら何とでも書けるし、理想を語るのは楽だけど、実際は全くそんな簡単にはいかない。
終わりがない苦しみの連続だったりする。

岸田奈美さんのnoteで、私は胸に刺さった箇所は、お母様がいつもの様に娘に投げる悪気は全くない、このひとこと。

『良太(ダウン症の弟さん)は奈美ちゃんの話なら聞く』というこれが本当にしんどい。

弟とふたりで話してほしい、と母から頼まれた。

「良太はな、奈美ちゃんといるときはめっちゃ笑うねん」

そんなアホな。

岸田奈美  こんなふうに生きられたら

こうやって、上手によそに逃していける人は、追い詰められない。

奈美さんのお母様は、御本人も下半身付随の心疾患持ちで健康ではないので、大変なのはとてもよくわかる。

奈美さんは32歳。
恋愛して、結婚するかも。
どんな形であっても、家族以外の事に心が奪われる事だって起きると思う。

若い頃と違って、視野が拡がったり、コントロールできるようになった分、きっと自分自身だけを考える事は、減ってしまったんじゃないかと思う。


私の母は、30代を全部病気で過ごしている妹が可哀想だと言う。

だけど、私も35歳から、看護、介護、子育てをほとんど1人でやっている。
誰も何も言わないし、私も何も言わない。

うちの両親だって、いつまで元気かわからない。
たしかにそうだろう。

『いつかグループホームに入れなきゃね。』と母は言う。

ちょっと待って。
誰がその準備して、本人を説得するの?

それって、健常者の姉が頑張らないといけない場面なんだろうか。

岸田奈美さんは弟が可愛いし、私だってそう、妹が可愛い。

でも、家族が面倒を見るのが当たり前って、結構しんどいんだけど。

朝から晩まで、汚いモノ片付けて、掃除して、買い物いって、食事作って、甥のお弁当して、母の愚痴を聞き、妹と会話が通じない。

それって普通なの?
家族が家族の面倒を見てる、それだけだけど。

家族が幸せの基本単位とか言われると、本当に嫌だ。

そういう意味では私は全然幸せじゃない。

だから、自分のやりたい事を掴みに行く。
私は自分を実現していく。

他人が私をどう思おうと勝手だけど、いちいち非難されるようなことじゃない。

私は私が決めていく。
これからも。

誰かのために犠牲になって一生終わったり、ずっと愚痴を言い続ける人生もごめんだわ。

家族が、子供がって言い続ける人はそれで頑張ってくれたらいいけど、狭くて独りよがりな価値観を、さも正義みたいに書かないで欲しい。

私だって生きてて、感情があるのよ。

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