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覇権争いは終わらない。

映画「英国王のスピーチ」を観たことがあるだろうか。
主役は、現エリザベス女王の父・ジョージ6世で、彼が吃音(きつおん)を治すために雇った治療士との交流を描いた映画である。
当時のイギリスは全世界人口の4分の1をおさめる帝国。つまり、ジョージ6世は全世界の1/4の人たちの国王だった。


ローマ帝国を夢見ているかのようなEUは、ドイツ、フランス中心に現存しているが、その前からイギリス連邦は存在している。
イギリス連邦加盟国は世界中に散らばっていて、現在は以下の通りだ。
欧州:イギリス、キプロス、マルタ、
アジア:インド、マレーシア、シンガポールなど 7ヶ国
北米:カナダ、ジャマイカ、バハマなど12ヶ国
中米:ガイアナ
アフリカ:南アフリカ、ガーナ、ナイジェリアなど19ヶ国
オセアニア:オーストラリア、ニュージーランド、トンガなど11ヶ国

イギリス連邦の利点は、独裁政権を倒して民主化を果たした小国(主にアフリカ諸国)や、新しく誕生した国家でも加盟しやすいことだ。
そして、国連よりも国際社会で発言する機会を得やすいので、加盟を希望する国が多いのだという。
もちろん、英国系グローバル企業とのネットワークによる、経済成長を期待する国もあるだろう。

イギリス連邦は小国だけではなく、資源大国であるカナダ、オーストラリア、南アフリカ、世界で2番目に人口が多く、ハイテク国家としても知られるインド、マレーシア、シンガポールなどの国も含まれる。

今後「世界の工場」となることが期待されているアフリカ諸国の多くも、イギリス連邦だ。
EUを離脱したイギリスは、これらイギリス連邦加盟国との関係を固めることになるだろう。
イギリス単体では小さな島かもしれないが、イギリス連邦を1つの経済圏と考えれば、その規模は凄まじく巨大なものとなる。

そして今、中国がイギリス連邦をはじめ、EUやアメリカのいいとこ取りをして、覇権争いに名乗り出ている気がする。
私自身は、イギリスが過去に行った欧米列強の植民地政策にはまったく反対(日本の帝国主義政策も含め)だが、世界は今、兵器の代わりに経済という名の武器で争っている。

覇権争いは終わらない。


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※この記事は、2020年に「kingpin研究所公式Facebook」に掲載されたものを加筆・修正したものです。
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