生誕100年の3人

  大正12年(1923)の1月25日池波正太郎誕生。8月7日司馬遼太郎誕生。9月30日隆慶一郎誕生。で、令和5年(2023)の今年3人が生誕100年を迎える。個人的には池波好きで、司馬と隆はあまり読んでいないのだが、この3人が同年生まれと言う偶然には驚かざるを得ない。
 だから今年は3人にちなんだイベントでもあればいいとは思っているのだが、ちょっと調べた限りでは何もなさそうだ。特に出版業界は売り上げを伸ばす機会でもあるのだから、電子化された作品を安くするとか、絶版状態の本を再出版するとかやるべきとは思っている。特に池波の『忍びの風』の電子化は是非実現してほしい。人によっては『忍びの風』はエロ小説と解釈するかもしれないが、『娼婦の眼』が再出版&電子化されているので、さほど難しい問題ではないと思う。
 司馬に関して言うならもうそろそろ『豚と薔薇』の封印を解いても構わないと思う。司馬唯一の推理ものであり本人は出来が悪いと認めていたようだが、司馬作品を改めて知るためにも電子化なり再出版してその意義を読み手に考えてもらえばいい。
 隆慶一郎は作家としての活動期間が短かった事や作品の少なさもあるが、脚本家・池田一朗としての活躍も交えて語られるべきだろう。テレビドラマの脚本集を出版するのもアリかも知れない。
 生誕100年というこの機会に3人の作品に触れ、そこからまた別の本に手を伸ばすのも楽しいものだと思うので、多くの人に3人の作品を読んでほしいと願う。


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