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1993年有馬記念前週の日記〜トウカイテイオーの可能性

時は1993年にタイムスリップ。日記より有馬記念についての考察。実はこの年は早朝4時から年末アルバイトをしていて、疲れて風呂に入り親戚の家でゆったりくつろぎながらテレビを観た。独り心震わせていたのを覚えている。テイオー。君ほどハンサムで気品漂う馬はいないよ。そして、強かった。


さて、

岡部はどちらを選ぶのか。


それが菊花賞をビワハヤヒデが勝った後の興味深い関心のひとつであった。

「地の果てまで走る」とはじめてテイオーに跨った時に言い放った岡部だったが、あっさりと「若さと勢いのある」ハヤヒデへの騎乗を表明してしまった。テイオーはそれほどまでに魅力のない馬になってしまったのであろうか。田原が乗る。

去年の春の天皇賞でマックイーンに敗れ、秋の天皇賞も7着に惨敗したところでテイオーの神話は崩れたかに見えた。

しかし、あの感動のジャパンカップで世界の強豪を薙ぎ倒し、ヨーロッパ遠征まで噂された。

父ルドルフと同じく有馬記念の勝利をステップとして世界へと思われたが、パーマーの絶妙の逃げに屈し、11着に沈んだ。

その後、休養に入り、宝塚記念に向けて調整されたが直前に骨折。なんと有馬記念は1年ぶりのレースとなった。もしテイオーが勝てば、1987年に中202日で菊花賞に勝ったサクラスターオーをはるかに凌ぐ、長期休養明けのG1勝ち新記録となる。

有馬記念は世代間の戦いといわれる。特に今年の4歳は強いともっぱらの評判である。その4歳から4頭が参戦してきた。ダービー馬ウィニングチケット、菊花賞馬ビワハヤヒデ、桜花賞、オークスを制した名牝ベガ、そして朝日3歳ステークス優勝馬エルウェーウィン。いずれも4歳を代表する強豪である。

対する古馬陣も豪華で、春の天皇賞馬ライスシャワー、JCを制したレガシーワールド、秋の天皇賞2着馬セキテイリュウオー、去年の覇者メジロパーマーが、4歳馬と真っ向勝負を挑む。



ここで日記は終わっていた。
トウカイテイオー。私が上京した年、初めて中山競馬場に訪れたのが、トウカイテイオーが勝った皐月賞だった。安田隆行騎手、現在は調教師だ。ダービーもとって無敗の二冠。父シンボリルドルフに続く三冠が期待されたが、怪我により断念。そして、大阪杯、騎手岡部ノーステッキで快勝。そして武豊メジロマックイーンと春の天皇賞で世紀の一戦を迎えたわけだ。

ジャパンカップでナチュラリズム以下海外強豪をねじ伏せたテイオーは最も強いテイオーだった。岡部の腕が唸った。あの騎乗は岡部騎手のベストに入るだろう。

そして、有馬記念での惨敗。田原騎手。誰もが何故だと。

もっともっと書いてはみたいが、それはまたの機会にして。
動画が全てを語ってくれる。

ビワハヤヒデは菊花賞圧勝した世代最強馬。ウイニングチケットとはそこで決着済み。その岡部ビワハヤヒデを田原トウカイテイオーが差す。実況と大川先生のコメントと田原騎手のインタビュー。

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