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思い出の菊花賞〜ダンスインザダーク

世代最強を決めるレースと言われたり、現代競馬に合わないレースと言われたり、様々な言われ方をする菊花賞だが、個人的にはすごく好きなレースのひとつである。
血統、騎手の腕にも見所が多分にあるからかもしれない。

今年※の菊花賞はディープインパクト一色でこうした面白みに欠けるかもしれないが、騎手が武豊、血統はサンデーというところは見落とせない。
※この記事は2005年に書かれたものである。

1996年の菊花賞、スーパークリークで一度勝ってはいたし、春の天皇賞も4連覇したこともある得意の淀の長距離戦、武の乗った馬は今でこそサンデーの後継種牡馬として順調に仕事をしているダンスインザダークだった。

弥生賞を勝っておきながら感冒で皐月賞はパス、ダービーは勝利目前して奇跡の末脚フサイチコンコルドに敗れ、残る最後の三冠のひとつ菊花賞をとるためにまさに武豊の渾身のレースと言っていいはずだった。

菊花賞で見るあの33秒台の末脚には当時震えたものだった。

粘る岡部ロイヤルタッチを強烈に追い込んだあの切れ味。

それはサンデーサイレンスの血がステイヤーといわれていた数々の血を凌駕し、菊花賞、天皇賞春といった長距離レースの展開をすべて壊した瞬間だった。

ダンスインザダークはこの一戦で現役を退いた。

サンデーサイレンスの血の深さを感じるもうひとつの力。それがこのダンスインザダークの奥深さ。

その後エアシャカール、マンハッタンカフェとサンデー産駒が菊花賞を勝っているがここ2年はダンスインザダーク産駒が勝っている点も血の奥深さを感じる。そういった感では今年のディープにも何か強い因縁を感じてしまう。

騎手は新しい長距離レースを作り上げた張本人の武が乗るなら、まず勝ちは間違いない。

ただし淀の坂には魔物が棲む。くれぐれもディープの脚にだけは気をつけてもらいたい。淀の坂も大事だがディープには越えてもらいたい坂がまだあるのだから。

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