見出し画像

高校生時代 前半の僕

僕は高校に進学した。僕の進学した高校は良くも悪くも”いい学校”だった。

今でも覚えていることがある。たしか僕が3年生に上がる頃だったっけ?
僕の学年の全生徒が”柔道場”に集められ、某企業の方が受験についてのセミナーを開いた。センター試験ではどういった問題が出題されて、そのためにはこれからどんな勉強をしていけばいいか的なことを教えてくれた。
そして、そのセミナーの最後。ある先生がこう言った。

「この高校は進学校の中でも下の方。だから...」

それ以降何を言ってたかはもう覚えてない。初めのワードが強烈すぎて、他の言葉が入ってこなかったから。

「ああ、ここは進学校だと思ってたけど、普通だったのね〜」

2年生が終わる頃になって知った事実。僕は進学校と聞いてたぞ!
まあ、そんな感じの高校だった。


高校に進学して最初の方はとにかくアウェーだった。その高校には近くの中学校から、もう関係の出来上がった人たちが集まってきていた。から、田舎から出て来た僕は完全に蚊帳の外。僕と同じ中学校から来た友人たちもいたけど違うクラスだったし、同じクラスになった唯一の友人は女子。人見知りで、特に女子に免疫のなかった僕には同じ教室に話せる人がいなかった。

中学校で完全に自分に自信がなくなった僕は、初対面でグイグイ話しかけることもできずひっそりと日々を過ごしてた。

そんなある日、たしか国語の授業だったっけ? 転機が訪れる。
先生が1人ずつ自己紹介をする時間を用意してくれたことがあった。
みんな思い思いに自己紹介をしていく中、僕の番が回ってきた...
その時、隣の席に座っていた男子が、教室の後ろにあったギターを指差して「あれ演奏してよ」と、無茶無茶のぶりぶり。

ギターなんて演奏できないし、ギターにはとても苦い思い出があった。
中学校の選択授業で音楽を選んだ時のこと。僕はギターを任された。
そのバンドではポルノグラフィティの「ハネウマライダー」を演奏することになったのだけれど、全授業を通じてギター担当の僕にできた精一杯が

♪ トゥルルル ルール ルッルッ ルールルー

の、イントロだけ。
結局、僕らのバンドは全体発表を辞退したという黒歴史がある。


だから、その無茶ぶりに冷や汗が出た。どうしたらいいのかわからなかった。でも、その男子はギターをケースから取り出して、僕に渡してきた。

「もうやるしかない」

追い込まれた僕は、思い切り弦を弾いた。とても変な音が出た。
それに続けて自己紹介した。すごく変な声が出た。
完全に、今はなき ”みやぞん” の劣化番。即興演奏事故紹介。

「これで高校生活も開始早々終わりや」

と思ったその瞬間、教室中が沸いた。
何も狙ったわけではなかったし、何がそんなに面白かったのかはわからなかったけど、とにかくウケた。
そして、その授業終了後、連絡先を聞かれた。男子からも、女子からも。
素直に嬉しかった。

「やってみるもんだな」

少し明るい高校生活が見えた気がした。


高校生時代後半につづく...

___
p.s. 予定がいつもと違かったから危うく投稿しないで寝るところだった。いかんいかん...

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?