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書籍紹介:「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」その4

前回に引き続き経済学者ヤニス・バルファキス氏の著書
「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」の紹介を行います。

前回の内容はこちら。よろしければ読んでみてください。

はじめに~今回は銀行にまつわる話です。

前回は封建社会の時代の話でしたが、今回は産業革命以降の説明となります。農奴と説明した部分は起業家と表現し、起業家がお金を借りる対象を領主から銀行に変更しています。


第四部「金融」の黒魔術

ヤヌス氏は銀行を何もない所からお金を生み出す仕組みを作る様は黒魔術の様だと表現します。

起業家が銀行からお金を借りる(借金)⇒起業家が生産活動をする(生産)⇒起業家が生産活動をして出た利益から銀行に金利付きで返金する。(債権・債務)

起業家が期待どおりの成果が出れば銀行は損をする事は無いが、もし失敗すると借金の返済額が減少するか最悪返済されない事となります。そこで銀行は1920年頃から起業家の事業が上手く行かなくても銀行が損をしない仕組みを作った。

起業家が銀行からお金を借りる(借金)⇒銀行は起業家から受けた債権を小口に分割して投資家に販売する。⇒起業家が生産活動をする(生産)
⇒起業家が生産活動をして出た利益から銀行に金利付きで返金する。(債権・債務)⇒銀行は投資家に金利付きで支払うする。

起業家の事業が成功した場合かこの様になるが、失敗した場合は以下の様になる。

起業家が銀行からお金を借りる(借金)⇒銀行は起業家から受けた債権を小口に分割して投資家に販売する。⇒起業家の生産活動が失敗する(生産)
⇒起業家から利益がでていないので、銀行から投資家へ金利は払わない。(最悪企業が倒産した時は投資家の購入した債権は価値の無いものになる)

この様に起業家の事業が失敗しても、投資家が損をするだけで銀行は損害を受ける事はない仕組みとなっています。

しかし銀行もノーリスクではありません。失敗する起業家が増え経済が低迷してくると、社会自体が冷え込み不景気となります。
そうなると投資家たちは銀行から借りていたお金を一気に引き上げようと殺到します。しかし一度に引き上げられると銀行は耐えれません。

そこで、中央銀行が出て来て調整する事になる訳です。そしてヤヌス氏はこの調停は「全て国民の将来に降りかかって来る事になる!」と声高に行っていいます。
ヤヌス氏は過去に何かあったのでしょうか。

結論:銀行は起業家との貸付リスクは全て投資家に移す事で回避している。しかし経済危機などの大きな問題が発生した場合は中央銀行が調停にはいる事になる。

最後に、

今回の第四章は銀行についてのお話でした。
次回は第五章の説明をしたいと思います。

最後までお読み頂き有難うごさいました。

次の記事はこちら。



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