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書籍紹介:「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」その1


以前の記事で少し触れて居ますが「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」という長いタイトルの書籍を読んで感じた事をつらつらと書いて行きたいと思います。非常に興味深い書籍ですのでお勧めです。是非購読してみてください。


はじめに~経済に関する私の考え

私は昔から歴史分野の書籍を好みます。未知の部分が多く探究心を掻き立てられる内容だからです。一方で経済という分野に関して苦手という事もありましたが、現在進行形の事なので探求心も何も感じませんでした。
しかし少し前から考えが変わり経済情報も収集する様になり、興味があれば書籍も読む様にしています。私にとっては未開の分野ですので時間が掛かりますが、それが余計に好奇心を掻き立ててくれます。

著者について

著者はヤニス・バルファキス氏ギリシャ危機の時の財務大臣を務めていた方です。
ギリシア危機とは既知の方も多いと思いますが、2009年にギリシアは政権交代後に、前政権財が政赤字をごまかしてユーロに参加していた事が判明しました。諸外国の支援で何とかしのぎますが、危機の波紋がユーロ圏諸国に及ぶと諸外国から猛烈な非難を浴びる事になります。

この時の財務大臣ヤニス氏はブチ切れて
「ギリシャは借金返済不可能だから、ユーロ圏から追い出される前にデフォルトしようぜ!」と主張して世界から注目を浴びた人です。

なかなか豪快なお方です。

結果的には、ユーロ圏のギリシャに対するつなぎ融資を正式決定しデフォルトは回避されました。このごたごたの最中にヤニス氏は辞任して、現在はアテネ大学で経済学の教授をされています。

そしてこの本は、経済は学者や財務省に任せるだけではダメ、民主主義は国民全員が経済を理解して意見できる事が重要。そのためには、分かり易く丁寧に経済を理解してもらう必要がある。(ヤニス氏の娘にも分かるように)
という想いで執筆されました。

結論:著者ヤニス氏は元ギリシアの財務大臣。現在はアテネ大学経済学の教授をしている。本書は経済を若い世代にも分かり易く書いた物。

第一章:なぜこんなに格差があるのか?

最初のお題は世界中で問題になっている格差についてです。
「パパ、どうして世の中にはこんなに格差があるの?人間ってばかなの?」
という、ヤニス氏の娘からなんともドラスティックな課題が出されます。

これに対しヤニス氏は、イギリス人とアボリジニを例に格差を説明します。何故アボリジニを例にするの?と思いましたが、娘さんがオーストラリア在住で馴染みが深いとう諸事情からだそうです。

支配された側アボリジニ
土地が豊かだった、特に仕組みを作らなくても自然と調和して生活する事ができたから。
支配した側イギリス人
貧しい土地がらで「経済」という強い組織力を持ち生き残った。弱い物から搾取しなければ「経済」が維持できなかった。
イギリス人が経済という仕組みを作り力を持った経緯
1.土地が貧しく狩猟では生きて行けないので農耕が始まった
2.農耕は不作というリスクがあるので食べ物を備蓄する「余剰」という考えが生まれた。
3.「余剰」を記録する為、「文字」が生まれた
4.「余剰」を交換する為、「通貨」が生まれた
5.「通貨」は価値を保障する、信用付けが必要。「通貨」の信用を保障する「国家」「社会」が生まれた。
6.「国家」を維持する為に、「官僚(政治)」「軍隊」「宗教」が生まれた。
結論:経済は力を持った物が弱い物から奪う事で維持されるから。格差が無いと経済が維持できない。


余談ですが、

格差については現在世界的に問題となっていますね。
SDGsの全17項目の目標10「人や国の不平等をなくそう」に含まれています。SDGsの営みについても機会あれば紹介したいと思います。
また、今回は、「第一章:なぜこんなに格差があるのか?」を紹介させていただきました。この続きは次回に記載させて頂きます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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