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書籍紹介:「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」その2


前回に引き続き経済学者ヤニス・バルファキス氏の著書
「父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。」の紹介を行います。

前回の内容はこちら。よろしければ読んでみてください。

はじめに~お金では買えない物

お金で買えない物と言われて何が思いつきますか?
家族、友人などの人との繋がり、信頼。ブランドなどの信用、安心感。健康だと思う。
以上は私の考えです。

ヤヌス氏は、この世の中には2つの価値観が有ると言います。
経験価値:お金では買えない物。家族や親友と過ごす最高の時間。思い出。
交換価値:市場で売り買い出来る物。食料や衣類といった物。

ただ近代ではほとんどの物が交換価値であり、経験価値を探す方が大変な状況です。いつから何でも売り買いする事になったのでしょうか?
それを市場社会の誕生が原因だとヤヌス氏は説明しています。

結論:2種類価値観。お金で買える交換価値とお金で買えない経験価値である。

第二章市場社会の誕生

市場社会誕生の起源は大航海時代に遡ります。
貿易商人が羊毛と香辛料交易で富を得ると、権力者はそれに目を付け「囲い込み」という改革を国主導で行います。
囲い込みの情報はこちら。

「囲い込み」で農民は土地を没収された為、権力者から土地を借りて羊を飼い、羊毛商人となり羊毛を領主に売り生きながらえる事となります。
時代が進み蒸気機関が発明され産業革命が始まると、今度は羊毛商人は労働者となり権力者の下で働く事になり労働力も商品として市場で売買される様になったという訳です。
こうなれば格差が進み労働力だろうが何だろうが富と交換する仕組みが出来上がり。市場の交換価値は全盛期を迎える事になります。

結論:市場社会の誕生により。交換価値>経験価値の構造は確実なものとなる。

余談ですが、

歴史を学ぶとだいたい行き着く先は残酷な現実なんですよね。
歴史上ハッピーエンドとなった話を聞いた事が無いのは私だけでしょうか。

今回は以上となります。
次回は第三部以降について書いていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

次の記事はこちら。



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