10月23日 天と地
見上げた空は初めて目にした色形をしていた
息を飲んで見つめた景色は映像としてうまく記憶されていない
感覚だけが静かに強く残っている
10月の水色はとても澄んでいて本当に水のようだった
触れるとひんやりとして僕の指先の熱を奪いそうだ
そして雲が浮いている
空に浮かんでいるのではなく水の上に、いや下に浮いている
まるで氷のようだった
空気を含んで白く凝固した氷
天地をひっくり返してもそのまま違和感なく過ごせそうだ
そしたら僕は空を泳ぐ
善とする
僕の言葉が君の人生に入り込んだなら評価してくれ