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ポエムハラスメント

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僕の詩作
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#人生

星屑

いいか、一度しか言わんでよう聞けや。cosmicをtableに拡げるやろ。ほだら、tableから零れ落ち…

雨うつつ

硝子窓を伝う雨の重さ 硝子が溶け出している 私の視線は偽りをとらえている 街灯の光が模した…

君が今日を引き連れ沈む あなたはさよならを知らない

十字

去り際の太陽は十字を翳す。 稜線のなだらかな弧に残る焔。 世界を等分する耀き。 視覚は四つ…

或る娘

傷口にすり込むストロベリイ。 私にも可愛らしい果肉が欲しいの。 錯乱抑える双子のチェリイ。…

殺意

散文的大量殺人と韻文的密室殺人

恋は人を狂わすのに特化している よく云われているが病に近い状態である もう要らないと望んでも予防はできない 君はまた感染する

窺い

夕刻。風が群青を引き連れてくる。 私はそこを水に濡れた指で擦る。 橙と群青の境を幾度も幾度…

開き

誰かを引っ掻いて割れてしまった爪を隠すように拳を握る。 見たくないのは相手の傷痕ではない…

時の浄化

去り行く背中に嘘を吐く 誰がために 時の浄化を知りつつも 離れる距離と競うよう 続ける嘘は誰…

水槽

宇宙について語るとき 私達は宇宙を損なう 言葉で限り 視界で区切り イメージで圧縮 魚を水槽…

私は理由というものを見つける度に一つずつ大きな水槽に沈めていた。 時折、理由を持たぬ者が…

野生

何から逃れたいのだ。 目を背けたいものとは。 嫌悪の対象とは。 憎しみの矛先は。 打ち鳴らせ…

鏡面

お前は鏡に繋がれている 世界との境界を鏡に見出している ただ一心に笑った記憶が思い出せまい どんな風に笑っているか鏡を覗いている 涙に光を当て 怒りの角度を測っている お前は感情を確認している いつだって視界の端に鏡を入れている お前は見せる為の感情を捏造しているに過ぎない 整えられたそれに対価を求める お前を見て私もそうだと気づいてしまった お前のせいで私は私を損なってしまった お前の鏡を覗いたばかりに私は退屈を覚えた もう戻れない 立ち止まり虚空を睨む