夏休みpart2 スピッツ「ひみつスタジオ」ツアー
↑前回記事の続きです
ぜひ読んでくださいね!!!
スピッツとの濃厚な出会いから10年後、再び迎えた地元宮崎でのライブ
私ももう26を迎えた。
アラサーだから日曜日になれば、バスの揺れ方で人生の意味が分かったような顔をしながらサザエさんを観るし、夏の魔物にはもう出会えた。ごめんなさい、うそです。
それはさておき、今回のチケット争奪戦もえげつないものであった。
恥ずかしながらファンクラブ会員ではない私は、チケットサイトの先行販売や一般で何とか手に入れようと血眼で方法を探す。
友人と協力し、さまざまなサイトを駆使して、先行販売で計12枚申し込んだ。
チャンスは逃すまい!とさらに一般発売にも手をつけた。休日なのに6時のアラームで目を覚まし、1時間前から待機していた。
しかし、案の定3分で完売しチケットは手に入らなかった。ただの早起き健康アラサー男の歪んだ顔が画面には映っていた。
もうダメか、、、と諦めていたが、12枚の先行販売からぴったり2枚当選。日頃の行いの良さがこんな時に結果としてついてくる、よかった
いくつか前の記事でも書いた気がするが、私には収集癖がある。小説や漫画など部屋に山積みで足場がないほどだ。
集めているものの中にチケットや映画の半券もある。くしゃくしゃの映画の半券が私の財布の中で偉そうに佇んでいる。ふふふ、嫌じゃない。
もちろん10年前のライブのチケットも残っている。
捨てればいいのに、と思う人もいるだろう
いやね、これが捨てられないのよ
たまにレシートを整理する時に見返すと、その当時の記憶が蘇るのだ。
この映画はあの子と観に行ったなとかこのライブあの曲聴けたよなとか
これらのチケットや半券は、会場へ入場するために必要なチケットであり、忘れていた大切な思い出に出会うためのチケットでもあるのだ。
そんな大切なもの、捨てられようか
そして、今回のチケット。これまでの争奪戦とは比べものにならないほど手を尽くして手に入れたチケット。貴重な休日をただの早起きの1日にしてまで手に入れたチケット。
重さが違う。
死んでも家宝にすると誓った。
迎えた当日
トレーラーの前で記念撮影をし、ライブTシャツとタオルで気分をぶち上げていく
そんな中、会場で会う約束をしていた職場のお姉様とも出会えた。
お姉様はファンクラブ会員で私より早い段階でチケットを確保しており、苦労して手に入れた私のことをかなり上から見下ろしていた。くそう、偉そうにしやがって
今回は、当日の入場時に席が分かるシステム
係員さんよ、これは家宝やぞ!大事に扱っておくれ!と睨みをきかせながらチケットを渡す
座席番号を発券してもらいされ、いざ会場内へ
ドキドキしながら座席を確認すると、なんと最後列、、、の中央付近の席。
チケットが取れただけよかっただろ、すみっこじゃないからまだいいだろ、と自分を励ましながらも何とも言えない悔しさが頭をぐるぐる回っていた。
そんな具合で友人と傷を舐め合っていたところで職場のお姉様と再び遭遇。
ファンクラブ会員で散々私のことを高みの見物で楽しんでいたのだ、きっと席もファンクラブ仕様の良席なのだろう、くそう
まったく、嫌味なやつめ
などと嫉妬の鬼と化していた私にお姉様は声をかけてきた
お姉様「席どこでしたか?」
私「いやあ、1番後ろでした。真ん中ではありましたけど、、、」
お姉様「えっ、、、」
私「えっ!?!?」
お姉様「わたし、1番後ろの1番はしっこだったんですけど!」
私「へぇ、、、そうなんですかあ」
鬼の仮面が外れ、透けて見え始めた満面の笑みがバレてしまわぬよう「お互い楽しみましょうね!」とだけ声をかけ、その場を離れた
自分の席へと歩き出した私は、切り取られることのない丸い大空の色よりも清々しい顔色をしていたと思う、
慢心してただろ、ざまあみろ!
そんな晴れ渡った心持ちのまま座席へ到着
そこまで大きな会場でもないため、最後列といえどもステージはしっかり見える
家宝がくしゃくしゃになってしまわぬよう、バックに入れずに入場時にもらった袋にチケットを入れ、座席の下に丁寧に置いた。
なんとも丁寧な扱い、ここまで完璧な気遣い(紙チケットへの)ができる自分の心が素敵すぎて気分も良くなる
最高潮に舞い上がっている私の人生の天井を突き破り天へと召していきたくなるような時間が訪れる
いよいよ開演だ
最高のセットリストを最高の演奏で響かせてくれるスピッツ
歌詞を間違えるマサムネさんもギターソロミスっちゃうテツヤさんも暴れすぎてベース床にぶつけちゃいそうになる田村さんも途中でスティック落としちゃう﨑ちゃんもすべてがカッコよくて全てが愛おしい
クージーの支えもライブには欠かせないね
ネタバレを防ぐためにもライブの内容はこれくらいにしておくが、個人的にはアンコール1曲目が刺さりまくった
楽しい時間はあっという間なもので、本編・アンコールを終えた。
体感は大袈裟に言って3分もなかったように感じるほど
カップラーメンは出来上がっていないのでは?と思った
そのままの足で2人の友人たちと打ち上げ会場へ向かう
アドレナリンが出まくっていたのだろう、ライブが終わってから居酒屋までの道のりをほぼ覚えてない
さあて、ここからが第二幕だぞ、とフルスロットルの感情のまま案内されたテーブル席へ座る
その時、目の前の友人2人が手に袋を持っていることに気づく
なんの袋だ?と思いよく見ると、入場時にもらったチラシなどが入った袋だった
(ああ、そういえばもらったな。そういえばじゃないよ!家宝を入れた大切な袋だっただろ)
などと心の中のもう1人のぼくと会話をしている私の手に袋は握られていなかった
その場に立ち尽くしたまま、さっきまでの思い出が走馬灯のように頭を駆け巡る
きっと丁寧に袋に入れられた私の家宝は、今もあの会場の最後列の中央席の下で輝きを放っているのだろう
慢心していたのは他でもない、私の方であったようだ
この惨劇、夢じゃな〜い
おしまい
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