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パーフェクト・センス(2011)

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人間に備わる五感を奪う謎の感染症がまん延し、人類存亡の危機に陥った世界を舞台に、危機的な状況下で巡り合った男女の恋の行方を描く恋愛ドラマ。世界を舞台にした壮大なストーリーと、愛の意味を問う人間ドラマを融合させた斬新な映像世界が異彩を放つ。                  “SOS”と命名された原因不明の奇病が世界中で爆発的にまん延し、感染者たちは嗅覚や味覚、聴覚などの五感を次々と喪失し、人類は存亡の危機にひんしていた。そんな状況の中で出会ったシェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と科学者のスーザン(エヴァ・グリーン)は、謎の病に侵されたまさにその瞬間、互いに惹かれ合う。しかし、謎の病の前に人類はなすすべもなく世界は終局を迎えようとしていた……。 シネマトゥデイ


五感が徐々に消えていく謎の感染症。

治療法もワクチンも見つからないまま拡大していく感染症のなかで生き方、人との触れあい方、愛し方を模索していく人々。

香りが呼び起こす記憶、好きな人の匂い、懐かしい味や好きな料理の味、好きな人の声、芸術的な音楽、みんなで歌った曲。

五感を失うというのは、ただ感覚だけを失うことではない…。


この映画のウイルスは、すぐさま命に繋がる症状ではないけど、今まで経験したことのない新しいウイルスへの恐怖は今のコロナと同じです。

新しいウイルスが蔓延なんて映画の話か過去の事のようだったけど今は目の前に起きている事。 

映画の中で自暴自棄や暴力、略奪などの場面がありますが現実も同じで、コロナの影響が生活スタイルや対人関係を変えていく中、人のイヤな部分、素晴らしい部分がハッキリと分かってしまう事が増えていってるように思います。

有事の際には人間性が分かると言われたりしますが、その通りだと思います。


映画の中では徐々に嗅覚や味覚などが消えていくんですが、それでもその中で残された感覚を最大限に生かして生活していく人々が描かれます。


料理人であるマイケルにとっては嗅覚や味覚の喪失は致命的な事であるにも関わらず諦めずに辛みや食感、温度感などを駆使して新しい料理の楽しみを提供していきます。

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僕らは生きてる。人生は続く。


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スーザンとマイケルは恋人とも言い切れない関係のまま感染症状が酷くなっていきます。


感染症状が進行していく過程で感覚が失われる前兆なのか激しい感情が発作のように現れます。

嗅覚の際は悲しみ、思い出。

味覚の際は恐怖、激しい空腹感。

そして聴覚の際は怒り、破壊。


発作のように一時的な感情ですが、それを向けられた方には辛いこともあります。

マイケルとスーザンもそのような状況で関係がうまくいかなくなっていきます。

怒りのあとの聴覚の喪失は人々の関係修復に大きな影響を与えるものだと思いますが、 まだ見ることが出来るので筆談や手話で交流しています。


音楽の楽しみも奪われたように思いますが音が伝える振動から新しい楽しみが生まれていました。


一方で略奪や暴力も激しくなって、次々と失われる感覚に想像できる最悪の事が迫ってきているんじゃないかと不安を感じていました。



そして

訪れる幸福、人々や人生への愛おしさ。

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今のコロナのように健康でいつも通りに暮らしていても新しいウイルスという見えない恐怖と長期的に危機を感じ続けながら生きていかなければいけない状況だからこそ、   人生も世界も続いている事、今ある幸せや楽しい事をしっかり実感しながら暮らしていくことが大事なのかもしれないですね。




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