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テスラ/エジソンが恐れた天才(2021)

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1884年、移民としてニューヨークへやってきて、憧れのエジソンのもとで働き始めたテスラだが、直流か交流かで対立し訣別する。独立したテスラは、実業家ウェスティングハウスと手を組み、シカゴ万国博覧会でエジソンを叩きのめす。時代の寵児となったテスラは、大財閥J・P・モルガンの娘アンと交流し、モルガンから莫大な資金を得て、「無線」の実現に挑戦する。だが、研究一筋の繊細な心が、実業界や社交界と不協和音を立て始める──。CineRack

どうしたことか物理も科学も、学校で習ったはずの記憶が無い私…。

電気はエジソンが全てだと思っていましたよ、この映画を観るまでは。

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今こうして当たり前に出来てる生活や通信がどうやって普及したかなんて事を、当たり前過ぎて意識しない(知らない)人も少なからずいるんじゃないでしょうか?

私はそうでした。

パソコンはもちろん、電気の明かりとか無い時代に、炎の明かりを頼りに重い本を捲りながら、頭の中で設計して、ボールペンではなくインクとペンで紙に書き出し、実際に作り出した人。


科学の知識にも物理の知識にも全く無知な私にはとっても衝撃的でした。

いつか『誰か』が開発したであろう事とは思っていても、こんなに不遇な人がその『誰か』だったとは。

天才だからこその、天才らしい人生なのかもしれないけど あまりに不遇じゃないかと思ってしまいましたね。 


そんな印象のテスラを演じていたのはイーサン・ホーク。

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ずいぶん貫禄が出てきたように思いますが、瞳の奥というか何とも不安げで繊細そうな印象を感じる目元はそのまま。

この瞳の印象のせいなのか、射抜くような視線だったり苦悩の視線だったりでさらに魅力あるテスラに見えました。


電流ライバルのエジソンを演じるのはカイル・マクラクラン。

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こちらもすっかり貫禄が。

私の記憶ではデューンでの若い頃のノーブルな印象だったのでしばらく気づきませんでした…。


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この二人の電流戦争を始めとしてテスラの人生をコミカルに、シリアスに、ドラマチックに、ネオンを交えつつ描かれています。

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この映画を観た後に、U-NEXTで【フランケンシュタインの誘惑】というシリーズでテスラの回を観たのですが、こんなにも世界を快適にして便利にしてくれたのに、一瞬でその感激を通り過ごしてマッドな扱いをされてしまうなんて…と切なくなりました。

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周りにもっとうまく世間と折り合いをつける仲介役がいたら良かったろうに…。

でも、もし様々なアイデアが実現されていたら悪用されてしまうこともあったろうな、と思うとそのタイミングではなかったのかもとも思いました。

科学は人の心より進んでいくのが早いんだろうなと思います。 


それにしても本当に本当に感激しました。

科学や物理に興味なくても楽しめるし、自分たちの生活の便利さの背景のドラマに驚くと思います。

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ちなみに、この作品の監督は 【アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発】の監督で、過去と現在と舞台とも見えるような様々な撮り方で映像が印象的でしたが、今回もそんな印象の部分もありました。


さらに余談ですが実業家ウェスティングハウスの役が本物とそっくりでビックリしました。

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