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カストラート(1994)
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かつて18世紀のヨーロッパに実在した、禁断の声を持ったカストラート。そのボーイソプラノを維持する為に去勢され、20世紀の現代では存在そのものが禁じられているカストラートのバロック・オペラの中でも、伝説のカストラートと呼ばれたファリネッリ。物語は、彼を取り巻く陰謀、政略、裏切り、苦しみを史実を基に展開してゆく。allcinema ONLINE
カストラート。この映画を観たときは凄くショッキングでした。
歌声の為に去勢する。。
罰や宮廷で去勢する事なんかよりよっぽど残酷な去勢だと思いました(´・ω・`)
でも、その今では聞くことの出来ない信じられないほど美しかったであろう声を求める気持ちも分からなくもない気がします…。
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何に、どんな美しさを感じるかは時代や地域、個々で違うけど大衆のフェティシズムが偶々集約され異常な美への傾倒が出来てしまう事があるのかもしれない。
それがカストラートや纏足、コルセットやハイヒール、タトゥーなど身体を強制的に形成するまでに至らせていたのかなと。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/34442900/picture_pc_d7b667b1d646919b8561485808a91f58.png)
古代などは頭蓋骨を変形させたり、どこかの民族では傷を付けて模様を皮膚に浮かばせたり、首を長くしたりとか、『ありのまま』ではない美しさを求める気持ちはずいぶん前からあったんだろうと思います。
野生のオスの生き物達は、力の強さ、体の大きさ、走る早さ、羽の美しさ、鳴き声の美しさ、模様の美しさ、など様々に、その特色を最大限持ってるんだよ!ってアピールをしてメスに求愛しますよね。
でも、人間は脳みそが大きくなったかわりに、キレイな毛並みも、羽も、逞しい体も、鋭い牙や爪も何にもないツンツルテンになってしまったワケで。。
そんなツンツルテンな『ありのまま』では満足出来なかったオスや、メスがきっといて、野生を真似てあらゆる美しさを求めるようになったのかな~なんて思ったりしました。
現代では身体改造というジャンルがあって、ボディピアスやタトゥー、スカリフィケーション、サスペンションなどといったちょっと激しめの自己表現としてのファッションのような事があります。
(何とかジャーニーとかで見て知ってる方もいるかも)
カストラートや纏足なども身体改造という中に当てはまるのかもしれませんね。
私自身も東京に住んでいたときに、身体改造に出会ってボディピアスやタトゥー、サスペンションなどを経験してきました。自身のターニングポイントになるような貴重な経験だったと思います。
とてもフェティッシュな要因も多い気がするので大衆に受け入れられる事ではないしリスクも多いのですが、現代にも人間の一部的に、自身の『ありのまま』ではない美しさを求める人達がいる事なんだと思います。
ただ、このカストラートや纏足などは、現代の改造とは違い本人が望んでいないのに施される事がほとんどで、苦痛や屈辱感など計り知れないものだったと思います。
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カストラートであれば名声や財が、纏足であれば裕福な嫁ぎ先など、美しさとはかけ離れた結果を求めるようになり、それを手に入れられるのはほんの一握り。
カルロの美しい声に魅了された兄リカルドがカルロに合う曲を作り、それをカルロが歌う。
巡業の先々で華々しいショーを披露していく。
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次第に兄弟の名声は絶大になっていく中で、徐々に離れていくそれぞれの想いと過去によって兄弟の確執は埋められないほどに深くなっていきます。
それでもカストラート本人の苦悩とは関係なく賞賛は増していき現代まで残るほどになっていたんですよね。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/34442847/picture_pc_95191bd5a9da636596ef752daed677cc.jpg?width=800)
映画の中で、カルロの歌う『私を泣かせてください』が過去の回想と歌声と相まってとても悲しく美しい場面になっていました…。
この映画もとても好きな映画の一つです。
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