強烈!分からないからこそ面白い「未知との人間の遭遇」映画3選
映画を観るモチベーションの1つとして、「訳の分からない未知のものを観たい」というのがある。
訳の分からないものを観ることで、「何これー!全然意味わかんねー!」と思うと不思議と高揚してくる。(共感してくれる人いるよね?)
私は怪獣系、ヒーローものにあまり興味がないため必然的に「未知の人間」を観ることになる。
そんな未知との人間に遭遇をさせてくれる骨太映画を3つ紹介します。
車との子供を産みます。ジュリア・デュクルノー『TITANE』
対物性愛の映画をもっと観たくなりましたね。私にとってはこれが初めての対物性愛を描いている映画だったので、ぶっ飛びました。
アガド・ルセル演じるアンドリアへの車への欲情が散りばめられていて本当に素敵だった。。。もちろんセックスシーンもめちゃくちゃ良かった。興奮しました。
アンドリアは暴力的なことをするし人もたくさん殺すんだけど、愛情に飢えていて純粋な方なんですよね。その描き方がめちゃくちゃ切ない。最後のアンドリアの出産シーンが美しすぎて、、、「愛」に性別も有機物も無機物も関係なくて、これが本物の愛じゃん、、、、と感動しました。
アンドリアの身体の使い方、艶めかしさ、野蛮さがとても魅力的な映画です。ぜひ。
猟奇的なアダムドライバーは好きですか?レオス・カラックス『アネット』
なんだったんだろうこの映画。。。とあっけに取られたのを覚えている。
映画のテイストも分類が難しい(ミュージカルなのだろうけど何だったのだろう?)し、伝えたいメッセージも初見ではかなり分かりづらいのではないだろうか。
面白いものを作るためなら子供だってなんだって利用していく芸能人夫婦のがめつさと加虐性に対する罪がテーマなのだけど、演出が突飛過ぎて本当に衝撃を受けた。
なんでこんなにユニークなんだろう?と思ったら、スパークスが原案、音楽、脚本に携わっていると知って、ああ、、、と少し納得するところがあった。
それでも、いやそれだからこそかなり魅力的である。私はこの映画を観てから1年以上時間が経過しているのだけど、生活のふとしたタイミングでこの映画のワンシーンを思い出す。
まず冒頭でアダムドライバー率いるクルーのミュージカルパートのカリスマ性で一気に引き込まれる。そして彼は気性の荒おスタンダップコメディアンの役なんですよね。彼の繰り出す狂気じみだブラックコメディアンの様相が本当に素晴らしい。ミュージカルシーン、コメディアンシーンを観ていると映画を観ているというより舞台を鑑賞しているかのような充実感を得られた。
作り物と本物が交錯する演出がより我々を混乱させると同時に、芸能の世界のアンビバレントさを表しているような印象を受けた。
観た直後より、時間が経てば経つほど好きになる不思議な映画である。
めちゃくちゃ淡々としてるのにヤバい。ロビン・ハーディ『ウィッカーマン』
アリ・アスター監督の『ミッドサマー』に影響を与えていると言われている『ウィッカーマン』。どんなもんだろうと観てみたらなかなかでした。
ミッドサマーはなんか起こるだろうという不穏な感じが冒頭からずっとあるけど、ウィッカーマンは最初、あれ、ヒューマンドラマはじまる?みたいなのどかな島風景から始まる。
そんでだんだんとおかしくなっていく。ヒューマンドラマきたこれと思ったら急に外で男女が性行為し始める。『ミッドサマー』はまだ複数人で村に足を踏み入れているので「ここやべえぞ」を他の皆と共有できるんだけど、『ウィッカーマン』の主人公はただ一人で島に降り立ってしまう。「これが正常です」と淡々と島の日常風景を見せられるなんとも言えない怖さがある。
サラッとしているのに摩訶不思議ですごく好きでしたね。
カルトで始まりカルトで終わってしまったな。他にも未知の人間が描かれている良い映画があったら教えてください。
おわり
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