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共用スペースでのおもいやり

今日の記事は剣道家のみなさんにはカチンと来るかもしれませんが、大事故を防止したいという思いと、剣道家の品格を下げたくないという思いから、言いたいことをそのまま書いたものです。

記事の内容は武道場の個人開放を利用して練習する剣道家のみなさんに関するもので、すべての剣道家に当てはまるものではありませんから、その点を踏まえてお読みください。



本題は「共用スペースでの配慮に欠ける剣道団体」からです。


「個人開放」というシステム

みなさんは「個人開放」と聞いて、イメージが湧きますでしょうか?
市区町村が管理するスポーツセンターを使ったことがあればなんとなくイメージできると思いますが、まったくイメージが湧かない人のために少しだけ説明します。

体育館などの公共施設には利用者区分というものがあって、団体利用と個人利用に分かれるのですが、これはグループで利用するか個人で利用するかの区別ではありません。

施設を占有して利用(占用)するか、共有して利用(共用)するかの違いです。

団体利用というのはスペースを占用するので、関係者以外は利用できません。
個人利用というのはスペースを共用するので、誰でも自由に利用できます。

このことを踏まえると、個人開放がお分かりいただけると思いますが、「団体利用をしないスペースを個人のみなさんに開放しますよ」というシステムのことなんです。

「個人開放」における他者への配慮

団体利用と個人利用の間にある大きな違いは、何だと思いますか?

私は他者への配慮だと思います。

団体利用はその団体だけで使うので、ある程度の配慮だけで済むと思うのですが、スペースを多くの人たちでシェアする個人利用は、すべての人に最大限の配慮をしないといけないと思うのです。

個人利用をする場合に他者への配慮ができないというのであれば、団体利用で占用することこそが最大限の配慮だと思います。

<団体代表者のみなさんへ>
余談ですが、私は団体利用を強くおすすめします。
場所代については個人利用のほうが安く済むかもしれませんが、他者への配慮を考えたら、団体利用のほうが安く済みます。私の経験上、団体利用は他者とのトラブルを回避できるだけでなく、生徒さんが練習に集中できるというメリットがあります。このメリットをお金で買えるというのはとても大きいです。「場所代を節約するために個人利用を選んだ末、他者とのトラブルが発生して、もっと大きなお金を払わなければならなくなった」なんてことにならないようにしたいですよね。


(ここから本題)

共用スペースでの配慮に欠ける剣道団体

今回の記事は実際の剣道団体のお話です。きっと同じ体験をしたことがある人もいらっしゃるのではないでしょうか?

剣道の将来を考えるのであれば、見過ごすこともできない問題だと思いますので、もし、共感していただけるのであればシェアをお願いします。

まず、結論から述べますと、私がその剣道団体に言いたいのは、

①大声を出さない練習にしてください。
②安全を管理する人を設けてください。

ということです。


大声を出さない練習メニューはないのか?

「個人開放という場は個人が周りの人に配慮しつつ、みんなで気持ち良く使えるよう配慮すべき場所だ」と考える私が最初に感じたのは、剣道の練習には大声を出さないものはないのか?ということです。

勘違いしてほしくないのは、大声を出さない練習メニューはないのかということであって、大声を出すなということではないということです。

剣道において声を出す行為はとても大事であることは理解しています。もし、「剣道では何をするにも大きな声を出さなければならない」というのであれば、この話はここで終わりです。

個人開放の場では利用者間の距離が近く、剣道の大声は周りの迷惑になるので、個人開放を利用した稽古はしないほうが良いと思います。

「周りの迷惑にはなっていない」とおっしゃる剣道家がいるのであれば、それは周りの人達が剣道を深く理解していて、剣道に対する敬意から許容されているだけの話なので、すべての人が剣道に対して敬意をもっているわけではないということを知ってください。

私には剣道の練習メニューのすべてが大声を伴うとは思えないのですが、剣道はそこまで原始的なものなのでしょうか?

本日の武道場は個人開放ですから様々な人がいまして、その剣道団体だけでなく、個人の剣道家もいらっしゃいましたし、殺陣のグループや空手のグループもいました。

殺陣のグループは剣舞のような掛け声を出さない静かな動きを練習していましたし、空手のグループも控えめな声で静かに組手の練習をしていましたが、これが他者への配慮によるものなのかどうかはわかりませんが、私には配慮しているように見えました。

大声を出しているのは剣道団体と個人の剣道家だけです。

おそらく、その剣道家たちは「剣道は大声を出すことが正しいことだから、自分は正しいことをやっている」と思っているのでしょう。ただそれは、剣道家同士のルールであることを知ってください。そのルールを剣道家以外の人に押し付けないでください。

「剣道とはそういうもの」ということを我々のほうが理解しなければならないのかもしれませんが、それは個人開放の場で言うことでしょうか?武道場を利用する人はすべて剣道に対して深い理解を示さなければならないのでしょうか?


なぜ安全を管理する人を設けないのか?

何回も言いますが、今回の記事は個人開放の場での話です。個人開放というのは、みんなで場所をシェアして使いましょうねというシステムで、みんなで気持ちよく使うために他者への配慮が求められる場所だと私は思っています。

ここから話すことは、剣道団体や個人の剣道家だけでなく、殺陣のグループにも空手のグループにも当てはまる内容なのですが、周囲の安全に対する配慮が足りないのではないか?ということを話します。

みなさんは、海外で行われている甲冑競技を知っていますか?

日本でも西洋甲冑を着た人たちが戦う競技がありますので、知っている人もいると思いますが、これはもともとアメリカで行われていたものです。

大人が甲冑を着て本気で殴り合いますのでとても迫力があって、見ている人も楽しいですし、やっている人も楽しいです。

私は海外で剣術を学んでいますので、この競技にも参加したことがあるのですが、その時は観客や選手としてではなく、安全管理者として参加しました。選手が安心して戦いに集中できるようにするため、そして、観客が安心して観覧に集中できるようにするため、場を監視する人を設けるのです。

ですから、選手が客席に近づけば競技を止めますし、選手が客席に突っ込もうものなら、私は身を挺してでも観客を守ります。

これがアメリカの安全管理です。

対して、日本はどうでしょうか?

本日の武道場では、殺陣のグループだけが十分に安全管理をしていました。私の勘違いかもしれませんが、稽古全体を見ている人がいて、稽古が広がってくると稽古を止めてもっと寄るようにしていました。(同じ演劇人としてとても嬉しかったです)

そして、剣道団体はどうかというと、監視する人は全くおらず、指導者も目の前の生徒との当り稽古に一生懸命で周りを見ていません。剣道の稽古を見ている保護者もいましたが、我が子の姿を撮影するのに夢中で周りが見えていません。

結果的に竹刀で人を叩く始末です。

「人を叩く始末」といっても、叩かれたのは私なのですが…

「すみません。」の一言もなく、剣道をやっているところに近寄ったあなたが悪いと言わんばかりの態度で、そのままスルーです。

私は心の中で「私が近寄ったのか、あなたが近寄ったのかが問題なのでしょうか?ここは個人開放のスペースで、みんなが同時に動いているのですよ?」と思っていましたが、悪びれもしない剣道団体の傲慢さに呆れてものが言えなくなっていました。

話を戻します。

今回の事故は、団体利用であれば回避できた事故です。ひょっとしたら、この剣道団体はいつも団体利用をしていて、今回は偶然、個人利用になってしまったので、いつもの感覚で安全を管理する人を設けていなかったのかもしれません。

ただ、結果的に事故が発生しているので、これを機に、個人開放を利用する際には、必ず稽古全体を監視する人を設けたほうが良いと思います。


まとめと補足

本日の体験をもとに記事を書きましたが、共用スペースにおけるマナーについて考えるきっかけになれば幸いです。

私が言いたいのは、

①大声を出さない練習にしてください。
②安全を管理する人を設けてください。

の2つで、

補足を加えて簡単に説明しますと、

①大声が耳障りということでなく、私の声が自分の生徒に聞こえなくなるのが困る

②私が練習をしているところに剣道家が突っ込んでくるのが困る

ということです。


共用スペースで相手のことを思いやることができれば、大きな事故が起きることもなくなりますし、武を志す者としての品格も保てるようになるのではないかと思い、今回の記事を書きました。


追記

記事を書いたあとに「剣道 迷惑」などの言葉で検索しましたら、同じように感じている方もいらっしゃるようです。

剣道団体の方は周囲の理解を得るのにとても苦労しているようですが、心中お察しいたします。私も剣を扱っているため、周囲の理解を得るのに苦労していますが、この世の中、自分の常識は世間の非常識というのが常ですから、どうしようもないときもありますよね。

私のケースはこの記事に書きました。
「一般社会ではあなたの理論は受け入れられない」というところをお読みください。

「いかに自分が正しくとも、それは同じ立場の者同士でないと理解されませんよ」ということが書いてあります。

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