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みなさん、初めまして!今回のすくナビ担当は新生児専門医研修中の笹井です!

今回はご家族からよく頂くご質問にお答えするシリーズ“教えて!近大先生〜赤ちゃん編”です。

今回のご質問は

「4か月健診って何するの?」です。

早速ですが結論です。

「4か月健診では赤ちゃんが健康かどうか、順調に育っているかどうかを評価して、お母さんにお悩みがあればその解決をお手伝いします!」

となります。
4か月健診で行われることを、3つに分けてご説明します。

① 身体測定、哺乳回数などのチェック
② 小児科医による診察
③ 助産師や小児科医、保健師とのお話

筆者 乳児期写真集より抜粋

では、それぞれについて少し詳しく解説しましょう!

①   身体測定などについて

身長・体重・頭囲・胸囲を測定し、前回の健診からの成長や同年代との比較、体のバランスなどをチェックします。正期産児であれば体重は概ね6kgを超えています。8kgを超える子もいれば、6kgを超えない子もいて「正常」の幅が大きいので、お隣の赤ちゃんの体格を気にする必要はありません。また、哺乳回数や哺乳量、うんち、おしっこの回数と性状などを確認して適切に授乳されているかどうかの目安にします。

頭囲の計測

② 小児科医による診察について

まず、心音、呼吸音、皮膚の状態、お腹や股関節、筋緊張や反射の有無など全身を視て、聴いて、触って診察します。続いて発達の評価を行います。首が座っているか、うつ伏せで顔が上がるか、目で追うか、あやすと笑うか、音のする方に興味を示すかなどをチェックします。赤ちゃんに病気が隠れていないかどうかを判断するのが目的です。ご家族からのご質問やご不安、お家で気になったことなどに関してもお聞きします。

小児科医による診察

4か月になると「発達が目にみえる」ようになってきます。生後1か月から比べ表情も分かるようになり、声も活発に出すようになります。1日のリズムも、多くの場合は睡眠が夜型になります。早産や低出生体重児のお子さんにおいては在胎週数を考慮せず、出生日に基づく暦月齢で健診を実施するため、成長や発達が正期産のお子さんと比較すると遅いこともありますが、周産期歴やこれまでの健診歴を参考に個別の対応をできるように医師・助産師・保健師などのスタッフ間で配慮しますのでご安心下さい。

③ 助産師や小児科医、保健師とのお話について

①と②で何か気になるところがあった場合や、ご家族からの希望があった場合に個別にお話しすることがあります。
5-6か月頃より離乳食が開始となります。離乳食の開始時期など個別に対応が必要な場合もありますし、初めてのお子さんの場合は特に不安なことも多いと思いますので、お子さんに関してだけでなくお母さんを含めた家庭のサポートもできるよう、多職種で連携し対応します。

「4か月健診って何するの?」について、とても簡単ではありますが、説明させて頂きました。健診の結果、今の時点では大きな問題はないけれど経過をみた方が良いという場合は、二次健診といってその問題点に詳しい専門医が少し時間をあけて再度診察します。あるいは、専門機関で検査や治療をした方が良いという場合は、適切な医療機関を紹介させていただきます。「異常を指摘されたけど結局何もなかった」ということもよくありますが、健診に携わる医師としては「異常を見逃さない」ことを念頭に大事なお子さんを診察し、判断させて頂いておりますのでご理解ください。
また、ご家族の不安を軽減し、安心して育児ができるような環境を整えることも健診の大事な役割と考えています。多職種でサポートできるようお声かけもさせてもらっていますが、ご家族からの気になることや不安があれば、どんなことでもご相談下さい。

参考文献:
1) 福岡地区小児科医会, 乳幼児保険医委員会(編). 乳幼児健診健診マニュアル第5版. 医学書院. 2015
2) 平岩幹男. 新版乳幼児検診ハンドブック. 診断と治療社. 2019; 44-66

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