Shiba_book

写真。映画。ルポ。小説など。

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最近の記事

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ちょうど掌くらいの大きさをした長方形であり、 重さはなんとも言えない心地よさであり、 見つめているとその中の自分から伝達があり、 感情があり、倫理があり、道徳があり、 生がある。 人間は考える葦でも無い。 炎天に焦がされる、炭酸の抜けたコーラ。

    • THE 2023 0331

      都会は無駄で溢れ、その無駄で食う人々の数が増え、 全ては金で買え、人は己の為すべき事まで他人に金を払いそして信頼する。 他愛のない知識と情報が横溢し、 それらを最も多く知る人間が偉いと評価され、 人はみな、そこへ憧れ向かい その裏で人類が営々と蓄えてきた生きる為の知恵 創る能力は知らず知らず退化している。 それが果たして文明なのだろうか、

      • 星新一に敬意を込めて  マザー(下)

        瞬間、視界が急速に流れ再び真っ白になると、いつの間にか視界は研究室戻った。何だったのだあの感覚は。しかし、研究室は特に変わった様子はなく、中央にはベイビーツーが上下に揺れており、次第に停止した。乗組員のヤナギサワは地面に仰向けになっており感無量といった表示をしていた。他の学者達も辺りを見渡しており、皆、何か言いたそうな表情をしていた。 「、、ヤナギサワ君、無事か?」 カデノコウジ博士は仰向けになったヤナギサワに駆け寄ると、ヤナギサワはカデノコウジ博士の耳元で何やら呟いていた。

        • 星新一氏に敬意を込めて    マザー

          自創作【マザー】part1 「想像力とは何か。想像して欲しい」 エス氏は、カデノコウジ博士の言葉を思い出していた。数年前、新たな人工知能が学会で発表された。その際、カデノコウジ博士が最後に言ったこの台詞を思いだしていた。 エス氏はコーヒーを一口飲んだ。口辺りがよく少しミルクの入ったコーヒー。エス氏好みの味だ。妻は居間で手際良く家事をこなしている。エス氏は簡単な朝食を済ませると、妻に遅くなると告げた。 「あら、最近忙しいのね」 「ああ。新しい研究が煮詰まっててな。予定より

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          alone man.【レベルII】

          Riku Shibano 22Book 【alone man】から レベルII(全年齢対象)

          alone man.【レベルII】

          ⻄村賢太から見る、劣等を超える『文学』からの学び

          柴野陸 『深更、一時に鶯谷の「信濃路」にゆく 生ビール一杯、ウーロンハイ七杯に、オムレツ、肉野菜炒め、 ワンタンなぞを飲み食いし、最後に生卵入りのカレーそばを すする。 タクシーにて帰宅 。』 著 ⻄村賢太「一私小説家独語」より抜粋 何とも恰幅の良い文体である。 あらゆるテクノロジーに覆われ、日々利便となる社会の中で 生きる、我々の乏しい想像力でも腹の虫が騒ぎそうだ。 僕が⻄村賢太を知った(意識した)のはつい先日の事だ。 いつもの様に書店をウロウロしていると、新刊コーナーに

          ⻄村賢太から見る、劣等を超える『文学』からの学び