見出し画像

嫌いな食べ物と若人たち

おはようございます。
kindle作家のTAKAYUKIでございます☆彡

みなさんは、食べ物の好き嫌いが多い方ですか?
「お刺身の赤身は好きだけど、いわしや秋刀魚の光ものは、嫌ッ」
「ちくわの磯部揚だあ………えっ、中にチーズ入ってんの? いらん!」
「ご飯に味噌汁をかける奴、マジで意味わかんない。前世は犬なのかしら」
ってな感じで、人それぞれ好き嫌いがあるようです。

過日。若人たちとリーズナブルなお店で、ちびちび飲んでいた時の事。
「TAKAYUKIさんて、いい大人なのに嫌いな食べ物多すぎませんかあ?」
金髪の若人、カズに言われた。
「カズよ。まず、語尾を上げる言い方はやめなさい。英語の疑問形じゃないんだから」
「ぢゃあ、英語で話せってことですかあ?」
すでに酔っているのか、カズの声が大きい。
「もういい。ってか、カズは俺の嫌いな食べ物を知っているのか?」

すると、おちょこを呷ったカズが破顔した。
「さっき、ウニとイクラをミン君にあげましたよね? あとォ…アボガドだってリンちゃんにあげてたし。僕にだって、あれはマグロのやまかけでしたっけ? それも、やまかけの部分だけ僕にくれたじゃないですかあ」

カズに指摘された僕は、ぐうの音もでない。

僕はレモンサワーを飲み干してから言った。
「正直に言う。確かに僕はウニもイクラもアボガドも嫌いだ。脂を…牛脂を食べている時の味がするからだ。だけど、山芋は食べられる」

「ダウト! TAKAYUKIさん、嘘はよくないですよ。う・そ・は☆」

先ほどから甘ったるいお酒ばかり飲んでいる、リンちゃんも参戦してきた。鼻ピアスをしているリンちゃんは、こう見えてケアマネの資格を持っているのだから、人を外見で判断してはならないと気づかされる。

「諸君、僕は本当に山芋の短冊切りなら食べられるのだ。だけどマグロのやまかけのように、すりおろしてしまうと無理なのだ」

「ナ、なんでムリなんでしょうか?」
ミン君まで突っ込んできた。ベトナム出身のミン君。カズよりきれいな日本語を喋るミン君。真面目で瞳のきれいなミン君。

「そ、それは………洟をすすってる感じがするからだ!」
僕は力強く言い放った。
「洟って、鼻水のこと?」
カズの問いに、僕は大きく頷いた。

カズの笑い声と同時に、リンちゃんとミン君も笑い出した。
狭い個室が揺れるくらい、みんなが大声で笑っている。
「お…面白すぎる。TAKAYUKIさんって、面白過ぎるぅ…」
そう言ったカズは、何度も手を叩いて笑っている。
リンちゃんなんて、両手でお腹を押さながら笑っているではないか。
ミン君に至っては、涙を流しながら笑っているし…。

「ちょっと、高野山に行ってくる」
僕は腰を上げた。
「高野山? いまから三重県に行くなんて、マジでやばいんだけど…」
半笑いのリンちゃんに向かって、僕は自分の尻を叩きながら言った。
「高野山はすぐそこだよ!」
「トイレじゃないですか。TAKAYUKIさん、もうこれ以上…ワラワセナイデクダサイョ…」
ミン君の発言から、また3人が笑い出した。
彼らは笑い上戸なのかも知れない。


高野山から戻ると、テーブルの上にお茶漬けが並んでいた。
「〆のお茶漬け頼んでおきました」
カズはそう言うと、お茶漬けを食べ始めた。カズは意外と気が利くのだ。
リンちゃんもミン君もお茶漬けを食べているので、僕もお茶漬けを一口食べた。
そして僕は、急いでレモンサワーを飲んだ。
「TAKAYUKIさん、もしかして猫舌ですか?」
リンちゃんが心配そうに言ってくれた。
「いやっ…みんな何茶漬けを頼んだの?」
「全員、梅茶漬けですけど?」
カズがサラッと答えた。

僕は深呼吸をしてから言った。
「なんで梅茶漬けなの? 普通はさ、鮭か海苔、わさび茶漬けじゃないの?」
「ウメがいちばんサッパリして美味しいではありませんか」
ミン君に諭された僕は、もはや万事休す。

僕はおしぼりで口元を拭いてから言った。
「僕は梅干しが食べられないのだ!」
僕の発言に3人が箸を置いた。
そして3人がまた笑い出した。
「ち、違うんすよ。TAKAYUKIさんに合わせて、みんな梅茶漬けにしたんすョ」
笑いながらカズが言う。
「なんで? なんで僕に合わせたんだ?」
「だってTAKAYUKIさん、昭和生まれじゃん!」
すでにタメ口になっているリンちゃん。
「でもまさか昭和生まれのTAKAYUKIさんが梅干し嫌いで、うちらが…しかもミン君まで梅干しが食べられるなんて…。本当に昭和と平成の逆転現象が起きてるじゃん」
カズはそう言った後、大声で鮭茶漬けを注文してくれた。
「TAKAYUKIさん、ボクがちょうだいします」
ミン君が僕の梅茶漬けを食べてくれたのであった。


3時間を超える飲み会となった。
何だかんだで楽しいひと時を過ごせた。
大いに食べて飲んで、そして大いに笑う事もできた。
僕はちょっと不服だけどネ!

僕はタクシーに乗って帰宅。
3人はカラオケに向かった。
やはり若人はパワフルで素敵だ。

みなさんの嫌いな食べ物はなんですか?

意外とこの話題で、その人の素性がわかるかも知れません☆彡



【了】


とらねこさんとのコラボ企画『kindleマガジン』発動中です。
参加希望の方は下記よりコメントをお願い致します。
月に1回からの投稿でOKですョ!(^^)!

https://note.com/supertoraneko/n/n773290f50e7d?sub_rt=share_pw





よろしければサポートをお願い致します! 頂戴したサポートはクリエイターとしての創作費・活動費に使用させて頂きます。