学校は命がけでプール授業を、今後も行うべきだろうか???
高知市、小学生がプールで溺れ死亡 中学で授業中
今年も、学校の授業中、プールで悲しい事故が起きて入いる。
文部科学省が作成した「学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」」では、
小学校、中学年(3・4年生)向けには、
「(1)技能
次の運動を楽しく行い、 その動きができるようにする。
ア 浮く運動では、いろいろな浮き方やけ伸びをすること。
イ 泳ぐ運動では、補助具を使ってのキックやストローク、 呼吸をし
ながらの初歩的な泳ぎをすること。
(2)態度
運動に進んで取り組み、 仲よく運動をしたり、浮 く・泳ぐ運動の心得
を 守って安全に気を付けた りすることができるよう にする。
(3)思考・判断
自己の能力に適し た課題をもち、動 きを身に付けるた めの活動を工夫
で きるようにする。」とある。
また、「学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」には、安全対策についても、記述されている。
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/06/10/1348570_7_1.pdf
日本経済新聞社の報道によると、
「高知市立小学校の児童が5日、水泳授業中にプールで溺れ救急搬送される事故があり、高知市教育委員会は6日、児童が小学4年男児で5日に死亡したと発表した。男児が通う市立長浜小のプールは設備の故障で使用できず、4〜6年生は近隣の市立南海中のプールで授業していた。」プール等学校施設の老朽化で、また、少子化の影響で、プール業者の撤退も続いている。また、「市教委によると、5日午前11時前、泳ぎの練習をしていた男児が深さ約130センチのプールサイド付近で溺れているのを他の児童2人が見つけ、引き上げた。当時、プールには児童36人と教員3人がいた。教員らは、男児が引き上げられるまで溺れたことに気付かなかったという。」
果たして、生徒が溺れていることに気づかないことがあるのか?という疑問を持たれている方もいらっしゃると思いますが、ここ数年、「子どもは静かに溺れる(溺水反応)」というのが、知られている。
テレビドラマの様に、大声で助けを呼びながら、水面で藻搔くというのは、架空の演出上のことで、実際は、周りの人に気づかれることなく、溺れる。そして、水中(または、プール底)で、溺れている子どもに気づくというのが、通常であることを、プールの監督にあたる人は十分認識しておく必要がある。
さらに、「男児は泳ぎが得意でないグループで練習していた。市教委の6日の説明によると、男児は事故前にも同じプールで教員に水中で抱きかかえられたことがあり、教員は校長に男児の泳力に問題があると伝えていた。」
よくあることだが、校長には伝えてあっても、当日監督の教員には伝わっていなかったのかもしれない。
泳ぎが苦手な児童に対する水泳の指導と監督がどんなに難しいか、次の事故を見ると分かるだろう。
NHKの報道によると、
「福岡市消防学校の26歳の消防士が7月9日、プールで水難救助の訓練中に意識を失い、病院で治療を受けていましたが17日死亡しました。」
「警察や消防によりますと、7月9日午後4時すぎ、福岡市西区のプールで、福岡市消防学校で学ぶ新人消防士およそ50人が訓練をしていたところ、岡本大河さん(26)が意識を失って水中に沈んでいるのが見つかり病 院に搬送されました。その後、病院で治療を受けていましたが、警察によりますと、17日午前、死亡が確認されました。」
これも、溺れかけている途中ではなく、完全に溺れてしまって、水中に沈んでいるのが見つかった事例である。
「現場のプールは深さが3.3メートルあり、消防によりますと、当時、水難救助訓練の一環で立ち泳ぎをしていたということです。
現場には18人の教官や救助隊員が指導や安全管理のために立ち会っていたということで、警察や消防が当時の状況を詳しく調べています。」
救助のスペシャリスト消防局の職員の研修会での溺死事故。屈強な26歳の男性隊員の死去事例。しかも、現場には、その時50名の新人消防士の訓練に対し、18名の消防学校教官や救命救急士が、安全のため、立ち会っていたが、だれも、この若き消防士が溺れたことに気づくことが出来なかった。また、気づいたときには、すでに手遅れで、これだけの人員がいても救命できなかったのである。
一方、研修もほとんど受けたことがない小学校の教員に、少ない人数で見守りをさせながら、同時に水泳の技術指導をすることは、児童の安全上かなり疑問があります。文部科学省の学習指導要領に水泳の項目があるという理由で、学校は、子どもの命を危険にさらしても、プール教室を続ける必要があるのでしょうか? 大いに疑問です。
外部のスポーツジム等の水泳インストラクターに、トレーニングを受けた専門家に任せてはどうでしょうか? 毎年、死亡事故が続きながら、学校でのプール指導が続けられることに、疑問の声をあげましょう!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?