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懸念していた事態が発生しました(1)教員不足が引き起こしたもの・・・

琉球新報(2023年1月26日朝刊)によると、病気休職を取得した教員の代わりに、しばらくの間、他のクラス担任や管理職が交代で子どもたちをみていた。ところが、新たな教員(講師)が確保できる目処がただず、「低学年の児童は目が離せず見守りが必要なこともあり、業務負担に苦しむ教職員の姿などを見て校長が振り分けを決断した。」とのこと。

このことについて、那覇市教育委員会は、
「学級の振り分けがあったのは1年生。担任が病休を取り、担任不在が続いていた。」「学校では、不足している教職員の業務代行だけでなく、新型コロナウイルスやインフルエンザなどの影響で休まざるを得ない教職員もいて、業務過多が深刻になっている。」「保護者には便りを出して理解を求めた。」「市教委は他の学校でも同様の事例がないか、調査することを決めた。県教委でも同様の事例がないかを調査している。」とのことである。

これは、明らかな「小学校設置基準」違反である。各学校は、各教育委員会の指示により、この基準を下回る生徒数による学級を編成することは可能である。(各自治体の独自予算により、クラス定員の上限を下げている地域がある。)しかし、「学級編制の標準は、1学級あたりの人数の上限を示したもの。」であり、この数を超えることができない。

https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2011/07/29/1295041_2.pdf

「働き方改革で学校現場は悲鳴!!!!!」

の記事に示すよう、小中学校教員の業務の効率化は、非常に難しい。
クラスの設置基準や、学習指導要領には、「総授業時数」が定められ、この絶対的な条件に関しては、そもそも工夫の余地がない。そのため、教員の数を増やし、一人一人の教員の負担を相対的に下げる他には、教員の働き方改革には方法がない。
しかしながら、教育現場では、教員定数を確保できない状況が続いている。このように、必要な人員増による教員の負担軽減を行わえない場合は、違法とわかっていても、総授業時数を減らす以外に方法はない。

この那覇市の小学校1年生の事例のように、具体的には、3クラスを2クラスに減らし(再編成し直し)、総授業時数を減らす以外には方法がない。

この沖縄の事例の様に、病気休職、産休・育休による教員代替は確保が非常時厳しい状況が続いている。少人数授業の加配教員、英語・音楽・家庭科教員教員、特別支援教育支援員などが、本来業務を止め、休んでいる教員の代わりに担任業務と授業を行っています。教頭や副校長、教務主任が授業や担任をすることは、今では当たり前です。

以前ならば、退職されたベテラン教員に依頼できましたが、その年代の方は、父母の介護や、孫の世話、ご本人の持病の悪化等があり、フルタイムで働くことが厳しい元教員が多いのです。更に悪いことには、教員免許の更新期限切れで、教壇に立つには、1週間程度の時間と、5万円程度の自己負担をお願いして、新たな講習を受ける必要がある元先生方も少なくありません。
加えて、全国に導入されたタブレットを活用した授業、英語の授業など、近年の教育改革に対し、二の足を踏む方も多いと聞いている。

萩生田元大臣の英断による教員定数の改定でしたが、各教育委員会による正規教員採用の空前のブームが起き、教員の取り合いが起こりました。
生活が安定した若者たちは、結婚し、ベビーラッシュが起こりました。手厚い子育て支援の成果もあり、ご夫婦の先生方がお二人同時に、1年以上の育児休業を取得されることも、もう学校では「当たり前の教員のあり方」として定着しています。
結果として、これまでにない数の教員が年度途中に次々と休職し、その代替(講師)不足で、教育現場が悲鳴をあげることとなってしまいました。
しかも、この傾向は、これから数年は続くと思われます。

誰か助けて下さい! 教育現場は疲弊しています。
声をあげる暇がないほど、事態は逼迫しています。
どうか、学校の先生を叩かないで下さい。
これ以上、心が折れる先生(精神疾患で休職される先生)を増やさないでください。
どの先生も、子どもの健やかな成長を願っています。
どうか、どうか、お願いします。これ以上、学校の仕事を増やさないで下さい。
※学校は悪くありません!!!!!
※学校の教員はスーパーヒーローの様に強くありません。


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